木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

大阪の選挙戦に学べないのは東大閥のせい?

2014年01月26日 | Weblog

今回の都知事選に限ってはその結果は東京都だけの問題ではない。
有力候補4人の立候補顔写真を見て「これが通常の平時の選挙ならこういう構図もやむを得ない」と思ったが、今は平時ではない。安倍晋三の暴走・暴言は止まらず、その頭はすっかり「中国との戦争モード」に取り付かれているのだ。その妄想をくじくための、つまり安倍退陣に追い込むための選挙なのだ。
そのために「脱原発」を主張する候補の一本化はどうしても必要なことだったのに。
細川・宇都宮、どちらの側もこれは結果によっては悔いを残す対応だった。
宇都宮氏は早々に立候補を決めた。前回選挙に市民側の統一候補として戦ったのだから理解できなくもないが、圧倒的に引き離された前回結果を見れば、もう少し人選に関して努力がされてもよかったのではないか。
自公推薦の舛添対社共推薦の宇都宮では選挙結果は見えている、と考えた細川、小泉、その周辺が「脱原発候補」として細川氏の政治への再登場を促した。
両候補とも一本化への努力に消極的だった。この点で集票力が下回ると思われる宇都宮側だけを責めることはできないと思うが。
社共両党が候補者としての資質自体に問題はないが、不特定多数の集票を期待するにはやや魅力というか迫力に欠ける宇都宮氏に固執したのは「東大閥」のためと推測する人もいる。
共産党は志位・若林(都委員会の代表?)が東大出身、社民党は福島瑞穂・海渡雄一の弁護士夫妻が東大法学部出身で宇都宮氏のお仲間。
そう言われれば合点がいく気もする。
こうした東京の頑なな学閥バカ的な決定と比較すると、大阪では橋下の暴走を止めるために、共産党は大阪市長選では独自候補を下ろし、結果は及ばなかったが、次の堺市長選では元々維新の会所属の候補を、大阪市の特別区構想に反旗をひるがえしたことを評価して独自候補を立てず、橋下側が出してきた候補を落選させることに協力した。
大阪には学閥と言えるほどのものは存在せず、どちらかというと雑草のようなタイプの党員が幹部なのだろう。
大阪でできていることがなぜ東京でできないのか。しかも都知事選のほうが危急の事態が迫っていて、それを押し返す絶好の機会だというのにである。
70年前の中国・アジアへの侵略戦争に「唯一反対した党」というのが共産党の矜持であり、伝家の宝刀にしている感がある。
党は非合法で、有力活動家は治安維持法違反で刑務所の中、あるいは沈黙させられ、市井に潜んでいなければならない時代だった。だから何もできなかったわけだが。
それでも歴史家の家永三郎氏は戦争に積極的に反対して来なかった自身への自己批判も含めて、当時の共産党に対しても彼らに全く批判されるべき点はなかったかと問うている。
ましてや今党活動は非合法ではなく、活動も自由である。「努力しましたが駄目でした」という言い訳は許されないし、現実の政党としての存在意義は失われる。
創価学会=公明党と同レベルのマルクス・レーニン教という宗教政党ということになる。

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都知事選は日本の最後の分岐点

2014年01月18日 | Weblog

都知事選に細川・小泉両元首相による老人連合
社民・共産推薦の前日弁連会長がまず立候補を表明した。
一年前の都知事選の時、やはり宇都宮氏が立候補して、久しぶりに左派の統一候補が出たと心強く思ったが、結果は石原の後継指名をうけた猪瀬直樹が400万票以上取って圧勝だった。
都知事として本当に仕事をするであろう人より、知名度のあるハデに行動する候補に投票してしまうという東京都民のマインドが実によく出ていた。
私が購読しているブログ「世に倦む日々」の作者は、今回の選挙、宇都宮氏は立つべきではないという論陣を早くから張っていた。「残念ながら宇都宮氏では勝てない。しかしこの選挙はどうしても安倍自民党の意のままになる候補を当選させてはならない。自民党推薦の候補が勝てば、安倍の暴走はさらに強まり、暴走きわまったところで空中分解し、安倍が終るだけならこの上なく喜ばしいことだが、その時日本国民も道連れにされる」という危機感からだ。
世に倦む日々氏は、ヒューマンライツウォッチという国際人権団体の日本代表の土井香苗氏を候補にと言っていた。
東大法学部卒の弁護士で、まだ30代。宇都宮氏の後輩でもある。宇都宮氏が下りて、土井さんに候補を決意させるべきと言っていた。
結局それはなくて、元首相で76歳の細川氏が「脱原発こそ老人世代が次世代に渡さなければならないバトンである」という思いで最後の力を振り絞って立候補するという展開になった。
老人ばかりが居座るのではなく、もっと若い将来のある人物に政治を託さなければならないというのは正論ではあるけれど、しかし老人がこの世の最後の日々を次世代に捧げるというのもまた一つのあり方だ。
細川さんも今更失うものはないだろう。応援に立つと宣言した小泉氏にはやや生臭さは感じるが。
このままでは日本は中国への宣戦と原発放射能汚染で崩壊すると感じるのは左派や脱原発派だけではなく、保守と言われる人々の中でも正気の人には感じられる危機感だと思う。
悩ましいのは宇都宮氏とその陣営だ。前回の選挙以来くすぶっている選挙運動をめぐっての内部批判が表面化したりもしている。
小泉氏の応援は細川氏にとって心強いものではあろうが、このままでは都政の課題が自民党や民主党の右派のほうに引っ張られてしまう可能性が大きい。
そこで宇都宮氏の側が降りるかわりに「政策協定」の交渉をし、左、つまり都民のための政治を行なうよう提言をするというふうに切り替えるのが、この場合、とりあえず「安倍政権の暴走」を止める第一歩になるのではと思う。
細川氏はピンチヒッターのつもりだろう。もし手ひどい裏切りがあるようだったら、その時こそ宇都宮氏側は堂々と反論をして立候補すればいい。その時は都民も少しは考えるだろう。首絞められているのにもっと絞めてと言うマゾヒストが多数派ではあるまい。

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99パーセントを不幸にするアホノミクス

2014年01月03日 | Weblog

昨年最後のブログで、「連合赤軍事件」の永田洋子と安倍総理の類似性について書いたが、この永田洋子を全面に押し立て、組織、といっても20名に満たないグループに過ぎないが、の主導権を握ろうとしたのが、赤軍派の森恒夫だった。
「連合赤軍」とは、革命左派と赤軍派が一緒になって、テロリズム的に革命蜂起をしようと集まったグループだが、組織員の人数では革命左派が圧倒していた。
そこで森は自分は全面に立たず、自分の考えを永田に吹き込み、永田は見事にそれを実践した。森は永田を止めることはできず、最後は引きずられていく。
ところで、安部が総理の座を放棄した後、これを支え再起に導いたのは「さくら会」という財界人のグループだという。
官僚組織も、連立を組んでいる公明党も、安倍を組しやすしとみて、これを操ろうと考えているのかもしれないが、そうは行かず暴走している。
安倍が理想としている戦前の全体主義的体制だが、軍部が暴走して、泥沼の戦いに引き込んだと一般的にはされているが、軍部を後押ししたのは経済界だった。
三井、三菱といった明治維新以来の財閥もだが、後発の新興財閥も「大陸進出」を熱望していた。そこをえぐって小説化したのが五味川純平の「戦争と人間」だ。
私はテレビで放映されている昔の日本の映画をよく見るが、そこに描かれる戦前でよく登場するのは「絶望的な貧しさと格差」だ。
病気や不運で借金がかさんで「身売りされていく娘」などが悲劇のヒロインとしてよく登場する。
その貧しさと理不尽の背景にあるのは、持てる者、たとえば地主や工場主などの収奪の激しさだ。庶民にはその搾取のカラクリなどはわからない。何となく感じてはいても、ではどうすればいいのかという段になるとその道筋がわからない。
わからないまま「貧しさから脱出するには満州だ、朝鮮だ」と、国の戦争に賛成していく構図が、こうした映画でも見て取れる。

僕富論から君富論へ。浜矩子が提唱。
直言の経済専門家である浜矩子。どぎつい化粧でまるでヒミコのような雰囲気の人だが、たしかにヒミコの託宣を聞く気分になる。
人々がほんとかうそかわからないのだが、原発再稼働、集団的自衛権容認、武器輸出三原則なし崩し、靖国参拝、戦争したい僕ちゃんの安倍政権に未だ50パーセントもの支持を与えているのはただ一つ「アベノミクス」とやらのまやかしの経済政策にすがりつきたいからだ。
しかし浜氏は「アベノミクスと言うときは必ずアホノミクスと言いなおしてください。私としてはドアホノミクスと言いたい」と切り捨てた。
日銀の誘導する金融緩和策で、円安誘導され輸出大企業の収益が上がって、株価も上がって、アベノミクスうまくいってるじゃん、という空気には「単なるドーピング。日本経済の行くべき道を邪魔し、かつ遅らせているだけ」と、少しの動揺もなくこれまた切り捨てる。
「日本がこれから進むべき道は、高度経済成長を再び夢見ることではなく、お互い分かち合う経済活動にシフトすること。
自分だけが儲かればいいという僕富論ではなく、お互い相手がいいように動く君富論に転換すること。それが二一世紀に残された唯一の選択」という。
富の一極集中が行き着く果ては消費行動をする中間層のいない荒野でしかない。

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