木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

天の摂理に反する原発再稼働

2015年08月12日 | Weblog

川内原発再稼働
八月は原爆の惨禍を改めて意識する月である。
そんな中での川内原発再稼働の強行はまさに「悪鬼の所業」だ。
電力は足りている。それなのに再稼働を強行するのは電力会社の利益のためだ。今までの電力会社はつぶれても構わない。会社がつぶれても電力の供給は必要だから社員は残る。経営陣が退陣すればいい。

NHKスペシャル「原爆投下3時間後の2枚の写真」
は衝撃的な内容だった。広島の爆心地から2・3キロ地点の御幸橋のたもと。そこに辛うじてたどり着いた熱線で焼かれた人たち。この衝撃の写真は現在の御幸橋のたもとにパネル写真として掲示されているそうだが、私は初めて知った。
現在の映像技術はその写真を解析して、動きまでつけられていたので、よりリアルに惨状が胸に迫ってきた。
写真に写っている人物の多くは少年・少女だということもわかった。青・壮年の男たちは戦場に狩り出されているためにその代わりに日常生活をになうための勤労動員に出ていた中学生や女学生たちだ。

坂田雅子監督のドキュメンタリー映画第3作『わたしの、終わらない旅』。
ベトナム戦争で、アメリカ軍によって散布された枯葉剤の被害を追った第1作からたどり着くべくしてたどり着いた作品だ。
坂田監督の母静子の「反原発」の活動は、そもそもフランスの核燃料の再処理工場の対岸にある島に暮らす娘悠子の放射能汚染への不安を訴える手紙から始まった。
再処理工場の汚染水は海に流されていた。そしてアメリカにより大規模な核実験が繰り返され、島を追われたマーシャル諸島の人々、アメリカに対抗するソ連ではカザフスタンの大地が核実験場として汚染され、人々は病気に苦しみ、村を追われた。
原水爆の悲惨を原子力の平和利用で覆い隠そうとしたが、それも所詮は弥縫策でしかない。
原爆と原発は同根である。この地球上のあらゆる生き物と共存できないのが放射能である。

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中国・朝鮮を敵視する倒錯の日本

2015年08月04日 | Weblog

次々に浮上する東京オリンピックの不都合
国立競技場の次はエンブレムのパクリ疑惑。
政府関係者は「問題ない」というスタンスだが、しかしベルギーの劇場ロゴやスペインのものを見ると、二つを巧妙につなぎあわせたんだなと思う。
しかしデザイン関係者の言うこともまことに歯切れが悪い。「たまたま似てしまうこともある」という言い方だ。
流行歌の世界でも俳句などでも「あれ?どこかで聴いたような、見たような」ということはしょっちゅうあることで仕方ないみたいな・・・。
しかし今の時代、ネットで検索すれば何でもあり状態だから、おそらく商標登録されていないことを確認して、デザインを借りたのではないだろうか。いわゆる「コピーペーストの発想」だ。
そうでない、たまたま似てしまったというのなら作者自身が釈明すればいいのに身を隠してしまう。安藤忠雄と一緒だ。安藤は隠れきれずに仕方なく出てきて「わしは知らん」みたいな会見をして、その偶像は思い切り地に堕ちたが。
デザインした本人なら「わし知らん」ではすむまい。
これが今の日本の上から下までの現実だ。無責任で、倫理も崩壊している。
8月、日本列島は猛暑にあえいでいる。こんな時期にオリンピックがほんとにできるのか。
それより何より中国との軍事衝突を想定しての「安保法制」をゴリ押しする日本政府にオリンピックを開催する資格がないことはもちろんだが、軍事事態になればオリンピック開催どころではない。

その中国との関係でいえば、個別的自衛権、いやその前に外交で解決するべき問題で、集団的自衛権行使をする「安保法制」など必要はない。
アメリカが世界での軍事行動を日本に肩代わりさせたがっている、世界で一番の国を他の国に譲りたくない、だけどそれだけの力はもうない、そのための金と人の犠牲を日本に求めてきているのだ。
日本はアジアにありながら自分はアジアの一員だと認めたくない。欧米先進国の一員なのだと、これは明治以来の日本の勘違いになってしまっている。
侵略してさんざ踏みつけにした中国や朝鮮は大嫌いで見下すが、そのくせ日本の言語も文化も中国・朝鮮と密接に分かちがたくつながっているのだが、人類への大罪である原爆を日本に2度も投下し、空襲で都市と人々を焼いたアメリカの批判はせず、できれば英語を流暢に操ってアメリカ人だと思ってもらいたい、これが日本の心性だ。特に権力者に顕著だが、一般国民の心性でもある。
これ以上ない「倒錯の世界」である。

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