木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

地獄への誘導者米主導のTPP

2013年07月26日 | Weblog

投票率より投票の質をあげること。
参院選投票日当日の「20代、30代の若い人達の政治意識」を分析する、若い人達の討論番組を見た。
31才の評論家荻上チキ氏は「投票率をあげることより、投票の質を上げることが必要だ」という意見を述べていて、なるほどと思った。
東京都議選や参院選の東京選挙区の結果をみれば、複数区とはいえ、政治メッセージが適確に発信されれば、つまり選挙運動の質がよければ、人々は自分達の代弁者を正しく選ぶことができる。
では質をあげるにはどうすればいいのか。
荻上氏は「今の若い世代は政治参加の契機になるものを持っていない。例えば前の世代なら職場に入ればそこには労働組合があって、政治学習できたえられる場があった。しかし今は労組のある職場は減少していて、政治と労働の関係を考えるきっかけもない」と言った。
BSフジでも参院選における無党派層の投票行動を分析する番組をやっていたけど、そこで二人の大学教授が自分の専門領域の立場から分析を試みていたが、明治学院大の川上教授もやはり投票の質を上げる重要性を指摘していた。学校教育の中で政治教育が必要という意見だ。
政治教育というと、特定の党派への誘導になると勘違いする教育現場が多いが、民主主義の根幹である国民の政治参加の方法の一つである「選挙」というものを体験学習などを通して教えていく必要があると言っていた。
もう一人早大の田中教授の調査(学生が対象と思うが)によると、「維新の会」を革新政党だと思い込んでいる若い人が多いという結果になったとか。
思わず「絶句!」だが、改革と言う言葉を橋下が連呼しただけで、社民や共産などと同列のいわゆる「革新」と勘違いする「政治への無知」は政治を学ぶ機会を持てないできた若い人達の悲劇だ。
マスコミは「無党派層」などという言葉をいつからか都合よく造語したが、それは「無知・無関心層」と言うべきである。
マスコミの常套句は「争点がない」と「批判の受け皿がない」だが、以前にも書いたが、「争点」は常に1パーセントの反倫理的利益の追求か、99パーセントの暮らしと安全が守られるかだし、「受け皿」は伝統ある社・共の他「みどりの風」、「緑の党」、「生活」があった。
1パーセントの利益追求の党である自民党とそれに追随する「維新」や「みんな」や「民主党右派」、「公明」もまた支持母体の学会員をだましての協力者だが、は無知・無関心だった国民に覚醒されるのが何よりの脅威だからいろんなテクニックを使って政治への参加や関心を向けないように日々頭を使っているのだ。
自民党は大勝したが、ウソとだましで得た結果であるから、どこか「空虚感」が漂っていたように見えた。
正々堂々と国民に訴えた結果、それが支持されたと思うならもっと高揚感があってもいいはずだが。
「昔の自民党には戻らない」と、いかにもいいことのように言うが、正確には「昔には戻れない。アメリカ型の弱肉強食の原理資本主義に舵を切ったのである」。
アメリカで今起こっていることはやがて日本を襲う。
デトロイト市でもまた日本の夕張市でも緊縮財政を強いられた町は医療、消防、その他の社会インフラが崩壊し、だがどこへも行きようもない貧しい人達が取り残される。
夕張市では医療機関が遠くなり、例えば高齢者に多くなる白内障の治療も何十キロか離れた隣町に行かなくてはならない。
水道料金も上がった。
貧しい人からさらに奪い取るのが新自由主義の企業利益優遇の政策だ。
アメリカではそれに一層の磨きがかかって今や政府はグローバル企業の私有物になってしまった。
その絶望的な状況をルポしたのが堤未果の「株貧困大国アメリカ」(岩波新書)だ。
私は買ってないが、要約がネットにあったので読んだが、TPPに参加するということはアメリカのようにグローバル企業に医療から食料から全て支配されるということだ。
ところでこれを書いた堤さんの夫は規制緩和推進の「みんなの党」所属の参議員川田龍平氏だが、夫妻でこんなに視点が違ってやっていけるものなのか?

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「SPEEDI情報隠し」の確信犯候補を推す面々

2013年07月18日 | Weblog

参院選後に国民を襲う第一の矢は「原発再稼働」?
自民党有利の選挙情勢が伝えられ、「脱原発・廃炉」を主張する党派は共産党が議席増を果たしそうだが、他の党派に勢いはない。
「みどりの風」や「緑の党」、「生活の党」、社民党は「脱原発」に関してほぼ同じ主張をしているのだから統一戦線を組めば良いと思うが「政党助成金」という財政事情のために手を組めないらしいので、これらの政党に期待するのは無理だろう。
自党の利益を優先する政党は主張が立派でも消えていくしかない。
大勢力になる自民党は公明党の「蚊の鳴き声」なんか蹴飛ばして「原発再稼働」、「TPPなし崩し参加」、「更なる労働規制緩和(限定性社員など)」、「消費税増税」、「憲法改悪」に突き進むことになる。
しかし「憲法改悪」はそう簡単にはできないのではと思う。「国民投票」というハードルも待っている。そこへ持って行くまでに「安倍政権」の経済政策の化けの皮もはがれていることと思う。
まず突破されてしまいそうなのが「原発再稼働」だ。電力会社は国民の反対にもかかわらず「原発再稼働」で自社を守ろうと必死だ。
「原発再稼働」を堂々と宣言している自民党が大量議席を取れば、「原子力規制委員会」の元々かつての「原子力村住民」だった委員達は圧力にもちこたえられないだろう。
原発立地で生活してきた福島以外の地元は「再稼働してもらわないと生活がやっていけない」などと言う。「命より原発」を選ばされている。
この人達には生活が成り立つ別の道を示してやるのが「政治」のはずだが、現政権は電力会社のパシリだから「再稼働」しか頭にない。
しかし「原発事故」のその後の絶望的な現実は事故から27年たったチェルノブイリが教えてくれる。
進む老朽化、下がらぬ線量。放射性廃棄物処分場も不足。
信濃毎日新聞7月8日。サイエンスライター田崎耕次氏の報告より。
旧ソ連から管理を引き継いだウクライナ政府は2011年から一般の「原発見学ツアー」を受け入れている。田崎氏は申請して現地を見た。
ウクライナ政府は原発から30キロ圏内を規制区域に設定し、居住禁止、許可なく立ち入り禁止、専属ガイドに従うことが義務付けられている。
爆発した4号機から100メートル離れた地点の線量計は毎時13マイクロシーベルトを示した。車で原子炉の反対側に回ると今年2月の大雪で600平方メートルにわたって崩落したタービン建屋カベが見える地点に入ると3台の線量計が一斉に鳴り響く。一瞬ドキッとするが「ここは元々線量の高い地点」とガイドのゴンチャレンコさん。建屋に開いた穴のせいではないと言う。だが施設が老朽化しもろくなっていることは間違いない。
低レベル放射性廃棄物処分場は幅38メートル、長さ142メートル、高さ16メートルの埋設地が約50並び、内部ではそれぞれ厚さ5メートルの粘土と砂で廃棄物を上下から包んでいる。地表は雑草に覆われている。
あらゆる低レベル廃棄物を埋めていてまもなく満杯。別の敷地も確保しているが、原発の管理が続く限り廃棄物も際限なく増え続けるのだ。
事故当時多くの原発作業員が住んでいたプリピチャ市では10階建てのアパート群が事故後自然に育った木の中で朽ちかけている。
道路上の線量は毎時0・5から0・7マイクロシーベルトで福島市と同程度。だがガイドが指す場所を測ると線量は一気に跳ね上がる。持参した線量計は「19・99」のまま止まってしまった。ガイドのゴンチャレンコさんの高感度線量計では25・23マイクロシーベルト。二日間居続けると、日本の一般人の年間限度を超える。「ホットパーティクル」という放射能を帯びた微粒子が土壌に含まれているためだ。
こうした場所は多く、ガイドの指示以外の所に入り放射性物質を靴の裏や衣服に付けると、靴や服を規制区域内に放棄しなければ外に出られない。
「規制区域内には高い線量の場所が点在する。住民は将来も戻ってくることはない」という。
ところがこの記事を読んだ数日後、ケーブルテレビ経由のニュース番組で、やはりこの「チェルノブイリツアー」に参加した社会学者と称されている東浩紀氏が、この規制区域で、管理のために人が普通に働いているのに驚いたと報告し、いかにも27年後のチェルノブイリの現場が、線量の高い場所があるとは断っていたが、普通に作業する場所であることを強調した。
どちらをより信じるべきか、やはりサイエンスライターの方が信用できるのではとかんがえていたら、この東氏やインターネットビジネスに携わっている津田大介氏、それに派遣村で一躍その名を知られた湯浅誠氏などが、参院選の東京選挙区に立候補している民主党の鈴木寛を応援しているとネット情報で知った。
この鈴木候補は福島原発事故当時の文科省副大臣で「SPPDI情報」隠しの張本人だということだ。
「左翼でもない右翼でもない立ち位置」にこだわる私よりふた周り以上若い人達の行き着くところは結局1パーセントの犬になることのようだ。

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「世論調査」の支離滅裂

2013年07月12日 | Weblog

NHK「クローズアップ現代」が提起した二つの警告
国民のための「公共放送」であるはずのNHKが今や自民党、とりわけ安倍政権の翼賛放送になってしまっていることは、心ある人々にとって常識となり、嘆きと怒りの対象ではあるが、しかしだからと言って、NHK職員全員が一枚岩というわけではない。
そう思わせた報道があった。
一つは正確なタイトルは忘れたが「統計の詐術」がとんでもない結論を導かせることもできるという例を視聴者に提示するものだった。
高血圧・心筋梗塞・糖尿病に冒された患者の90パーセント以上がこの食べ物を摂取し、重大犯罪者のこれまた9割以上が犯罪を犯す直前にこの食品を食べていた。
こういう食べ物を食べることを禁止すべきかと問われると、6割以上の人が禁止すべきと答える。ではその食べ物とは?答えは「ごはん」だった。
この番組を見てすぐ思ったのは、「世論調査」として実施されて導かれる傾向にこうした巧妙な誘導が仕組まれているのではということだった。この番組を作ったスタッフにそういうことを視聴者に考えてもらおうという意図があるのではと思った。
それは今のNHKの主流の考え方とはおそらく違うのだろう。
安倍政権に関する世論調査ほど不思議で違和感を感じるものはない。
6年前その無能ぶりで政権を投げ出した男を信頼している人間はおそらく日本国民の中でもそう多くはないはずだ。
ところが「安倍政権を支持する」という回答が6割近くになる。だがその支持するはずの安倍政権による経済政策に期待をするかというとそれは5割ぐらいに下がる。
そしてさらに「景気の回復を実感しますか」という問いには8割もの回答が「実感しない」としているのだ。
こんな一貫性のない支離滅裂な結論が導き出される「世論調査」とは?
政治に関する世論調査に限らず、電話で行なわれるアンケート調査はあらかじめテープに吹き込まれた女性の声のものが多い。
四つから五つの回答の中から選ぶ形式になっている。中高年になると、そうでなくても集中して聞いていないと、何番がどういう回答なのかすぐ忘れてしまう。そういう場合聞きなおす仕組みもあるが、たいていは面倒くさいから適当に答える。
そうした相手の心理を見越して回答の順番を指定しているのではと思う。
無党派層と言われる多くの国民が情報を得る手段は何と言ってもテレビ報道だろう。そこが景気が回復しているという期待感があるといえば、そうなのかと思う。
民主党に期待したけど駄目だった。それなら自民党しかないだろう。他の中小政党に期待してもどうせ政権は取れないし・・・。
そこで「安倍政権を支持します」という回答が導き出される。しかし話が具体的になると、「経済政策?アベノミクスって何よ。よくわからん」。「景気回復の実感?」、「ない、ない。そんなもの」ということになる。
「世論調査」の本来のあり方は「対面調査」である。これには人手も時間も必要だ。今の時代家庭を訪問しての「対面調査」がむつかしい。
しかも頻繁に行なわれる「世論調査」。支配者側にいいように利用されているだけだ。
憲法改定も原発再稼働も国民の多数は望んでいないし、TPPもよく説明されれば「参加に賛成」はグローバル企業の経営者しかいない。

「ネズミ、イノシシ激増、福島の環境に何が」
今日11日の「クローズアップ現代」も衝撃的だった。
放射能汚染がひどくて立ち入りが制限されてきた原発立地の大熊町などでは民家が大量のネズミに食い荒らされ、野山ではイノシシが跋扈している。
放射能の濃度が下がったら帰宅したいと考えていた住民のかすかな希望を無残に打ち砕く現実で、この影響が今後どのような広がりを見せるのか予測がつかない事態だ。
イノシシもネズミも汚染された物を食べ、汚染された空気の中で生きてきたわけだ。
人間よりはるかに寿命が短い動物たちは汚染の影響が出る前に死んでしまうのかもしれないが、イノシシはそんなに山を越えたりできないかとも思うが、ネズミの移動が恐ろしい。
これまた「原発事故の予測できない影響の広がりの恐ろしさ」を警告し、「再稼働」をもくろむ連中に「一矢」を放った番組だと思った。

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「原発事故はなかった」という狂った願望。

2013年07月04日 | Weblog

シングルマザーの悲愴な子育て。ドラマ『Woman』(日本テレビ)
『Mother』で子供を虐待する状況に追い込まれてしまうシングルマザーを描き、『それでも生きていく』で重大犯罪者の加害家族と被害家族が追い込まれていく現実を描いた坂元裕二が見つめる世界は、今回はシングルマザーの生きにくさだ。
幼い子二人を残して夫に死なれた満島ひかりが演じる主人公は、子供を預けて仕事に出るために朝の通勤時間帯にベビーカーを持って電車に乗り込まなくてはならない。
ガソリンスタンド、クリーニング工場を掛け持ちして働くが、子供が熱を出したりして急に休むことが続くと、パートの彼女は首を切られてしまう。
疲れきって役所の福祉課に相談に行くが、そこでは「援助してくれる親族はいないのか」と問われる。父はすでに亡くなり、家を出て行った母とは疎遠な主人公はそこで絶望的な気持になる。
これはドラマの上の作り話ではなく、現実の社会の中で繰り広げられている事実だと思った。
こういう母たちにこそ政治の光が当てられなくてはならないのだが、現実は彼女達は日々生きるのに精一杯で、選挙の投票にも行く余裕がないのではないか。
選挙も遠いし、候補者も遠い。

定時制高校生の貧困。
「働きながら学ぶ」定時制高校存在の主旨だが、その働きながらが、今企業のあり方の激変の中で困難になっている。
かつての製造業が盛んだった頃は定時制高校生の職場は朝から夕方までの工場などが多く、周囲も働く高校生が定時に学校に行けるよう気を配る余裕があったが、そうした製造業が減った現在ではコンビニなどのサービス業しか働く場がなく、これらの業種は時間が不規則で、夕方から学校に行かなくてはならない定時制の生徒は使いにくいというわけで、働きたくても働けない。学資が続かなくて結局退学に追い込まれるというケースも多いという。
その上学校の統廃合により職場から通いきれない事態も進んでいる。
貧困から脱け出すために何とか高校だけはと考えてもそれを拒否するのが今の政治の側だ。

参院選で安倍自民党政権が勝利すれば待っているのは「原発再稼働」、[TPP参加」、「消費税増税」。仕上げは「憲法改悪」か。
不思議に思うのは原発の事故による汚染は1パーセントの富裕・支配層にも被害を及ぼすのに「原発再稼働」を進めようとすることだ。
原子力発電の技術の不確かさ、電力会社の管理のいい加減さが福島の事故で誰の目にも明らかになったのにそれを認めない。
原子力発電は被曝労働なしには成立しないし、使用済み核燃料はただ溜まる一方だというのに。
「東京オリンピック招致」の狂騒は「原発事故なんてなかったんだ」と思いたいそれこそ狂った願望だ。

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