木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

石原都政の結果=豊洲移転のでたらめ

2016年09月21日 | Weblog

築地市場の豊洲移転をめぐってテレビのワイドショーが舛添政治資金問題以来、その追及に活気づいている。
小池知事を全く評価する気がなかったが「パンドラの函」を開けたのは確かだ。増田寛也が知事になっていたら「豊洲への移転」は実行されていただろう。そして移転後に問題続出で東京オリンピックも吹っ飛ぶ。果たしてどちらがよかったかということになるが、「食べ物の安全」がかかっているから、これは移転前に問題発覚でよかったのだろう。
これが「無責任石原都政4期(任期を放り出して辞めたが)」の結果でありツケだった。
それにしてもやるはずで、やることになっていた建物下の盛り土が実はなされていなかった理由は何か。
盛り土をする予定で計上された予算の一部が他に回っていたわけで、石原とその周辺がそれを受け取っていたのかとも思うが、実は石原が大言壮語ですすめた「新銀行東京」の失敗でこげついた都税の穴埋めにまわしたのではないかという指摘が、テレビ朝日の番組でコメンテーターの川村氏が言及していて、「なるほどそうか」と思った。
元都庁職員だった別のゲストが豊洲移転のための予算を他へ流用することはできないと反論していたが、トップの指示があれば、職員はその方法をひねり出すのではないだろうか。東芝などでも無理筋な会計操作をしていたではないか。いつかバレルわけだけど。
暴言と妄言で人々の目をごまかしてきた石原だが、実は自民党都議団とはなれ合い関係で、週二日だか三日程度の出勤で勝手なことをしていたわけだ。
それでも「俺は知らん」は当時の都の最高責任者として通らない。これで石原のファンも目が覚めただろう?
テレビの演出だろうが、都知事選の前になると必ず「はっきりものを言う石原さんは何かしてくれそう」などというノー天気な都民の声を拾っていたが、「何かしてくれそう」の中身はこんなこと=税金の無駄遣いだった。これは大阪でまだその息の根を止められていない橋下とその召使の維新も同様だ。

これと並行するようにして、富山市議会議員の政務活動費の不正常な使い方がニュースになった。
富山は石川・福井と並ぶ北陸3県保守王国の一画だ。保守
系の議員で議席が占められていて、やりたい放題になっている。
自治体議員の選挙は投票率が低く、身内組織を固めればほぼ当選できる仕組みが出来上がっていて、それが長年積み重なっていつかはこういう結果になる。

市民の政治意識が低いのが最大の原因だが、選挙制度がそれを助長し、学校教育が「政治への中立性」を盾に国民の権利を教えない(教師自体が教師としてそうした教育を受けていない)。
それこそが支配層のねらいではあるが。富裕層以外は首を絞められる一方の安倍政権を支持する国民がこれほど多いのには、国民も「病にかかっている」ということだろう。
そして安倍政権とっては「豊洲移転問題」は今、南スーダンに派遣されている自衛隊員に犠牲者がいつ出てもおかしくない状態への国民の目をそらせる役に立っているぐらいに考えているかもしれない。
自衛隊から犠牲者を出し、それをいけにえにして「9条改憲へ」。これが2016年後半の安倍政権のシナリオと自覚したい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

外交交渉ができない日本

2016年09月11日 | Weblog

北朝鮮の核実験
制裁も安保理決議も効果なし。「断固抗議し、暴挙を許さない」などという言葉のむなしさだけが胸に残る。
この「核実験」のニュースを聞く大方の日本国民は北朝鮮が国際社会に相手にされないので、駄々っ子のように「危険な火遊び」をするのだぐらいに感じるかもしれないが、実は韓国と北朝鮮が東西冷戦を背景に衝突した朝鮮戦争が未だに休戦状態のままで完全に終わってはいないことを忘れているか、知らないのだと思う。
北朝鮮は現在の休戦協定に代わる平和協定締結に向けた直接対話を米国に迫っているが、米国は応じていない(信毎社説)。
北朝鮮の核の保有と実験という小国の虚勢を米国も日本も利用し、放置しているところがある。
米国にとっては世界中の、日本にとってはアジアの不安定情勢というのは政権にとって軍事大国である必要の何よりの口実だからだ。
日本に在住して「コリアレポート」という情報誌の編集長で、テレビの報道番組にもたびたび登場する辺真一氏は「2002年の小泉純一郎首相と金正日総書記の日朝首脳会談で拉致問題は進展したものの(ちなみに拉致問題の進展を横から妨害して後退させてしまったのが当時官房長官だった安倍晋三)、核問題は小泉首相が当時のブッシュ米大統領に北朝鮮と対話するよう説得したが応じなかったためこじれた」と分析。「米朝が戦争すれば日本にも被害がおよぶ。ただし日朝間にに領土問題はなく、本来北朝鮮が日本を攻撃する理由がない。日本人の生命を米国に預けるのではなく自国の外交で解決できるはずだ」と言う。
そう、日本に今ないのはこの独自の外交交渉というもの。
NHKの大河ドラマは「真田丸」放映中だが、信濃の小さな豪族真田氏が近世大名に変身を遂げたのは「調略」という周囲の有力者への交渉術によるところが大きいことが残された書状などでわかるという。戦国に生きた武士たちもやたらに戦争したいわけではない。世が乱れたとされる室町末期から戦国時代、在地領主たちが心がけたのは「領民の生活の安定」だった。領主が自分達の生活と生産の安定を保証してくれれば他からの無体な侵略に対して領民もそれを防ぐために協力するという関係だったとは司馬遼太郎の分析。司馬氏の明治国家礼賛には首をかしげるところが多いにあるが、作品を書くために大量の資料を探査したことは確かなようなので、この見方に賛同する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

憎悪の対象が間違っている

2016年09月02日 | Weblog
財源を食いつぶしているのは障碍者や生活保護受給者ではない。
それはズバリ、リオオリンピックの閉会式にスーパマリオとやらのキャラクターで登場するために12億も使った安倍晋三であり、株高を演出するために年金資金を株式に突っ込み、10兆円以上の損失を出して平然としている年金機構である。
そして省庁の天下り確保や、これら役所と結託して自社に利益を誘導する業者、その仲介をする議員族。
相模原障碍者殺傷事件に対して「私の視点」と題して、哲学者の萱野稔人は「日本が経済の低迷と少子高齢化で社会全体のパイが縮小し、財政の効率化をしようという時勢の中、生活保護受給者や障碍者が財源を食いつぶし、全体の足を引っ張っているという憎悪が広がっている。そうした背景の中で起きた事件」と分析しているが、憎悪、批判の向くべき先はこうした弱者ではなく、特権をいいことに公金を好き放題に使っている連中に向かわなければならないのにそうはならず、日経の世論調査によれば安倍政権の支持率は60パーセント以上に上がっているという。
支持率を上げていい気にさせていいことは一つもないが、地獄への坂道を転げ落ちていく時というものはこういうものなのか。

敗戦と終戦。
田中三二良という俳人が、地域新聞の連載で、「敗戦には戦争に負けたという口惜しさがある。従って復讐を誓う。しかし終戦は戦争が終わったということで、戦争はもうたくさんという気持ちがこもっている」と書いている。
俳人らしい考え方だが、なるほどとも思う。敗戦によって終戦、もう二度と戦争はしないし、巻き込まれてもならないとう意味で「終戦」=「不戦」を改めて日本の誓いにするのがいい。


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする