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木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

メディアは戦争の旗振り役となる

2014年09月15日 | Weblog

BSTBSの番組で、「食材選び」のインタビューをしていた。
みな「中国産は怖い。できれば国産を」をと、当然だけど、ノー天気な答えをしていた。
今や「日本の食」は中国からの輸入なくしては成り立たないと、中国産の使用期限切れの鶏肉がマクドナルドなどで使われていたことが問題になった時、こうした食品業界に詳しい垣田達也氏が言っていた。
日本政府は、輸出大企業の言い分ばかり聞いて、工業製品の輸出と引き換えに国内農業を衰退させる政策を推し進めてきた結果、材料調達、人材、工場も外国に頼り、輸入なくして日常生活が成り立たない国になってしまっている。
中国に対して、尖閣諸島如きで「戦争も辞さない」空気が安倍政権の中枢部で沸騰しているが、それはおろかなこと。中国と武力で争ったら、日本は食料でまず干上がってしまう。安倍政権の「反中政策」は戦前の日本がたどった国民を飢えさせる愚策と全く同じ道をたどるのだということ、一人一人が自覚しなくてはならない。

メディアの「朝日新聞たたき」がすさまじい。
私は朝日新聞は購読していないが、「吉田証言」・「吉田調書」の勇み足的誤報はここまでたたかれなければならないほどのものではないと思う。
戦時中の吉田大佐?の「慰安婦狩りをした」という証言が必ずしも事実でなかったとしても、それで「従軍慰安婦」という事実がなかったわけでは決してない。
福島原発事故の際、東電の職員が過酷な現場から命令に反して逃げ出したというのもあり得ることで、吉田所長が調書で「そういう事実はない」と述べたからといって、真実そうかというのは現場に居合わせた人のみぞ知るだと思う。
誤報を訂正することはそうであってよいが社長が出てきて全面屈服するほどの必要はないのでは?
事故以来、東電幹部の「無責任ぶり」は私たちはいやというほど見せられてきたのではなかったか?
これまたTBS番組だが「そしてメディアは日本を戦争に導いた」という番組があった。
昭和史を追求してきた半藤一利と保阪正康の両氏がゲストだった。
メディアは戦争推進の旗振り役を担った。朝日新聞もその中心にいたのである。戦後はその反省から出発したのだが、それが戦前の支配秩序を取り戻したいと考える側からは憎悪の対象になった。近頃では内部から切り崩しがあって、必ずしも市民の側の新聞とは言いがたいものがあったそうだが、それでも権力べったりのジャーナリズムとは言えない読売や産経とは一線を画するところがあった。
「朝日」の存在は許さない、それが今回の「朝日たたき」だ。
ところで、日清、日露の戦争後、軍はメディアを取り締まることから利用することに転じた。国家宣伝隊の役割を担うようになった。
昭和の時代にに入ってラジオが普及してきて、ラジオに負けまいと過激な報道姿勢に変わっていった。
結局、昭和の戦争の誤りの原因を挙げていくと、
軍人が政治を支配したこと。
捕虜の扱い等で国際法を無視したこと。
十死零生の戦法を強いたこと。
などがあるが、今世に大手を振っている「歴史修正主義」は権力と一体化して、残された資料のうち都合のいいところだけをつなぎ合わせて、「慰安婦は軍の強制ではなかった」、「南京大虐殺はなかった」、「松代大本営地下壕建設の朝鮮人労働者は強制連行ではなかた」と声高に叫び、「大東亜戦争はそれこそ大東亜の秩序建設のためで、聖戦である。その皇軍は清く正しく美しい」と、古臭い、捨てられたはずの屁理屈を持ち出すのだ。
今、実際に兵士となって従軍させられた者は生き残りわずかとなった。真実を証言出来る者は残っていない。
「負の記憶」は戦争体験でなくても語りにくいものでもある。

 

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ヒトラーを総統に押し上げた「ヨーロッパ人の反ユダヤ主義」

2014年09月04日 | Weblog

安倍改造内閣、実に馬鹿馬鹿しい。
NHKニュースはそれにかかりきりなので、ニュースも見ずに他局に切り替えた。
最近は安倍の顔は見たくないので、画面に出てくるとそれだけで切り替えてしまう。
それでも嫌でも目に入って来るのはその顔の不健康そうな「むくみ」だ。
国民の支持を失って退陣するというより、再び健康不良で辞任する可能性が高まって来たように感じる。
「アベノミクス」とかいう、架空の経済政策の行き詰まりが健康悪化に追い打ちをかけるだろう。仕方がない。自分の播いた種は自分で刈らねばならない。それが大人の責任というものだ。
NHKという組織は不思議というか、奥が深く広い。
ニュース番組では懸命に安倍政権のヨイショに励んでいて、籾井などというおよそ公共放送のトップにふさわしくない知性と感性の持ち主や、世の中の右傾化に調子に乗って、「狂気の暴言」を吐く長谷川、百田といった経営委員を持ちながら、彼らの目は全ての番組に行き届いていないようで、朝ドラの「花子とアン」にしてからが、蓮子と花子の戦争をめぐるやり取りなどは今の安倍政権が進めようとしている「戦時への危険な傾斜」への批判になっているし、「歴史ヒストリア」という歴史娯楽番組でも琉球、すなわち沖縄という島が中国大陸と日本の中間にあって、独自の政治と文化を持っていて、それを日本の薩摩が蹂躙するところから今日に続く悲劇が始まっていることを認識させてくれる。
フランスの放送局が作った「ヒトラーの時代への検証」ドキュメンタリー番組を見た。これもNHK番組。
ヒトラーは第一次大戦で、最前線の兵士として過酷な戦場を生き抜いている。その第一次世界大戦は敗戦国ドイツにこれまた過酷な賠償を課した。
戦争に敗れたのだから仕方がないとはいえ、国民の間に高まる生活不安に対する不満は、金融界を支配しているユダヤ人に向けられた。
日本に住む私たちには理解できないヨーロッパの「反ユダヤ主義」。フランス人サルトルに「ユダヤ人」の著書がある。
それによれば、「ユダヤ人はユダヤ人であるということがユダヤ人以外の者にとって嫌悪と差別の対象になる」とある。
日本でも在日朝鮮人や差別は根深いものがあるが、それは為政者が意図的に作り出した結果であるが、反ユダヤ主義にはもっと根源的なものがある。
私などは欧米人の顔の特徴などあまり区別できないのだが、ユダヤ人は鼻(鷲鼻)、耳の形などに人種的な特徴があるそうだ。
ユダヤ教とキリスト教という宗教的対立というか問題がその根源なのかとも思うが、ユダヤ人によって十字架にかけられたイエスはそもそもユダヤ人だ。それに刑の執行を命じたのはローマの総督である。
ヒトラーの登場の仕方は安倍晋三より橋下徹だ。橋下は父親が出身で少年時代はその地域で貧しい暮らしをしていた。
ヒトラーは特に貧しいというわけではないが、祖父の出自が不明で、もしかしたらユダヤ系であった可能性もあるという。
ドイツでは祖父母の代までドイツ人であることが証明できなければ「本物のドイツ人」とは認められなかった。
ヒトラーは総統にまで登りつめ、ヨーロッパを席巻し、ユダヤ人600万人を虐殺する大罪をおかし、しかし最後は破たんして自死するのだが、これに比べると、橋下はすでにその影響力を低下させている。
大阪の地盤沈下を公務員と生活保護受給者などの公的保護を受けている人たちのせいにして、不満をそらすのに一時的に成功したが、それは間もなく見破られることとなった。
ヒトラーは賠償を課した側のフランスやイギリスなどを憎悪の対象にしたが、中国や南北朝鮮を憎悪の対象にしようと、日本のファシスト達は懸命に画策するが、中国や朝鮮は日本の主権を何一つ冒してはいない。むしろ侵略した過去を持つのは日本の方で、ヒトラーのようにはこれで人々を狂信に向かわせることはできない。
そして頭角を現したヒトラーを支える周囲の人間が良くも悪くも「維新の会」に集まった連中とは知的レベルが違った。
私は「維新の会」にすり寄った連中のレベルの低さが結局足を引っ張ることになると予想したが、それはそのとおりになりつつある。
戦場体験はあるが、単なる町の青年の一人であったヒトラーがあそこまでドイツ国民を熱狂させ、狂気に駆り立てることができたのはヨーロッパ人の体の一部になっているような「反ユダヤの心性」と、敗者に対する一分の余地も残さない仕打ちのためかと考えさせられた。

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