「特定秘密保護法」衆院通過。
マスコミ人もこの法律が施行されたら、自分達の存在も必要なくなるという現実にようやく気がついて、反対表明をし始めているが、これまで大手新聞・テレビ局は安倍晋三を批判して来なかった。
昨年の衆院選でも対抗勢力がないというキャンペーンを張って、自民党勝利に貢献したし、景気回復への根拠のない期待感をテレビで煽った。
秘密、秘密で政府機関への取材が制限されてしまうのだから、新聞社は読売新聞一社あればいいし、テレビ局は政府御用達のNHKがあれば充分。
政治評論家もいらない。政治報道が成立しなくなる。
安倍晋三はいわば表の顔として役を演じているわけだが、演出は霞ヶ関の官僚組織だ。
何でも秘密にしてやりたい放題がこれから進行する。彼らは腐りきっている。
腐敗したものは切り捨てるしかないのだが、腐敗し切って自滅するまで彼等の支配は続く。
こんな法律が成立(まだ参院で成立はしていないが)する以前から国の情報は国民の目から隠されてきた。
これからは原発の危機的情報はますます人々の目から遠ざけられ、オスプレイの飛行ルートも知らされないだろう。
安倍晋三は決定的過ちを犯した総理として歴史に名を刻むことになろうが、彼の祖父岸信介も50年前、日米安保条約を国民の反対を押し切って強行批准し、今日の対米従属に道を開いた。
ところで自分自身を振り返ると、戦後の平和憲法体制の中で深く考えなくとも、労働組合の一員として組合の指示に従い、また反自民の政党を支持しているだけで、公正な世の中を希望する一人である気がしていたように思う。
しかし平和な世、公正な世はぼんやりしているとすぐ邪悪な勢力によって奪われてしまうものなのだ。
隣国韓国でも経済のグローバル化の影響をもろに受けた労働者の受難が日常だ。
指名解雇された労働者が鉄塔に立てこもり会社と対峙しているというテレビ番組を見たが、韓国では自分達の生きる権利を主張する戦いの伝統が生き続けていると感じた。
それは50年代から60年代の日本の炭鉱労働者達の三井・三池闘争に重なるものだった。
日本国民は権利主張の戦いを忘れて久しい。
猪瀬都知事のスキャンダル
徳洲会の選挙違反事件の中で浮上してきた5000万円献金事件。
日頃の人徳のなさのツケが容赦なく猪瀬知事に降りかかっている印象だが、要領よく立ち回ってきたように見えて、以外に脇の甘い人だった。
転がり込んできた都知事の座に「自分は大物」と勘違いしてしまったんでしょう。
猪瀬は悪い。しかし前任者の三期十二年務めた石原はもっと悪い。ろくなことしなかったはずなのに、メディアは追及してない。
何でここへ来て徳洲会の公職選挙法違反が表ざたになったかというと、内紛によって切り捨てられた徳田虎雄氏の側近が週刊誌にリークし、そこから検察の調査が始って、猪瀬スキャンダルはそのついでに出てきた話だという。
安倍晋三が総理になるべき人間ではないのと同様、猪瀬も都知事になる人材じゃない。