国民は「政権交代」による政策転換を実感できないでいる。
米軍普天間基地移設問題しかり、官僚の天下り問題しかり、派遣労働の規制しかり、などなど。
だからと言って「自民党にもう一度日本の舵取りお願い」とはならない。
民主党がどんどん「自民党化」している時にもう一つ自民党はいらない。
お人よしが多い日本人もさすがにそこまでは・・・。
小選挙区制度による「2大政党制」など、くだらない妄想だったことがはっきりした。
同じ志向の2大政党など必要ない。
民主党は自民党的思考の人達と社会民主主義的思考の人達とが混在している大所帯だ。
とにかく自民党に取って代わらなければ、とこんな寄せ集めの党になっていったわけだが、さて政権運営を始めてみてその矛盾がどんどん出てきて、今や身動きが取れない状態だ。
夏の参議院選挙で民主党は過半数を取れないほうがいいのではと思う。
今この日本もアメリカ同様「二極化」が進み、中間層が減っている。
経済成長戦略以上に求められているのは「富の再配分」なのに社会保障の財源というと、消費税しかないような議論ばかりだ。
その前に自民党政権時代、特に小泉政権時代に進められた「金持ち優遇」の所得減税や法人税減税を見直すことが先だ。
「マネーゲーム」で儲けるような「働かない富裕層」に対し、働いても生活できないような収入しか得られない「ワーキングプアー」の人々。
消費税上げの議論の前に所得税や法人税の適正課税の議論が先ではないですかと菅財務大臣に言いたい。
マスコミは「消費税」一色だ。しかし今この日本の課税のあり方のまま消費税だけを上げたら、日本社会は崩壊へまっしぐらだ。
社会を維持するために「税」は必要で、それをよりお金持ちの人、力のある人に応分の負担をしてもらうことは、その人達にとっても「名誉」なことではないのだろうか。
自分の富はは多くの人達の役に立っているというような「満足感」はないのだろうか。
北欧諸国の高い消費税が、行き届いた社会保障の財源と日本では思われているが、これらの国の消費税は応分の高い所得税とセットになっている。
とんでもない大金持ちもいないが、飢えて路上で野垂れ死にしたり、病気になっても病院にも行けず、命を縮める人もいない。
親の貧困のために進学を断念しなければならない子供もいない。障害者や高齢者も社会の一員として「人間の尊厳」を守れるよう配慮されている。
自分のことは自分で責任を持つ、それはその通りだが、この世は強い人間もいれば弱い人間もいる。
思いがけず病気になることもある。不幸な災害におそわれることもある。社会で生きている限り一人の力だけで生き抜ける人はいない。
自己責任の「小さな政府」にする手法は、まず減税をする。そうしておいて財政赤字だから公共の支出はできないと脅しをかける。
ブッシュ政権がそうで、それに習った小泉政権がやったことがそれだ。