庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

エネルギー政策の転換によって新産業育成の効果を最大に。

2013-05-31 | バイオ燃料・バイオマス
日本のエネルギー戦略の転換において、『脱原発依存』を最優先して、代替電源には、「天然ガス」と「石炭火力発電」を早急に導入すべきだ、として説明した。
環境問題を重視する団体からは、「石炭火力発電」の新規導入を疑問として、反対する活動も始まっているが、【発電電力量当たりのCO2排出量】を規制すれば、懸念は解決される。
原発再稼働を優先するよりは、「CO2排出量を削減する仕組み」を組み込んだ火力発電を促進する方が、将来にとって効果が生まれる。

『CO2排出量を削減する仕組み』は、従来の研究では分離した「CO2排出ガス」を地中や海底の地下に貯留する方法で、閉じ込める考え方で進めてきた。
これでは、生産的な対処法ではなく、社会的にも認められるやり方ではない。
閉じ込めずに「発生したCO2排出ガス」を積極的に利用するには、「藻類の栽培池」を設置してCO2排出ガスを送り込んで栽培の促進を方策が研究されている。
「藻類はCO2ガスと水から炭水化物を製造する」、地球固有の生物である。
必要なエネルギーは、太陽光線だけなので、無限に増殖が可能である。
増殖した分を採集して、残りの藻類はまた細胞分裂によって、増殖を繰り返す。

この藻類の栽培池を、石炭火力発電所の近隣に大量に造営して、火力発電で発生するCO2排出ガスを栽培池に送り込む。
適切なCO2濃度に調整し、藻類の栽培に最適な水温に調整をしておくだけで、
無限に「藻類の栽培と採集」が継続できる。
この採集された藻類からは、炭水化物と油脂が大量に抽出される。
油脂類は「バイオマス燃料」の製品にされて、自動車等に燃料として利用される。
残さ物には、豊富な栄養源が残り、牛や鶏用の飼料に添加することで、良質の家畜飼料として利用出来る。

この様に石炭火力発電の【発電電力量当たりのCO2排出量】を規制する制度を義務付けることによって、関連してくる新規の技術や産業を活発にする効果を引き起こすのだ。
この制度を創るよりも、今ある【原発の再稼働】を図った方が「CO2排出ガス」の削減が進むではないか、と言うのが原発維持勢力の言い分である。
これが、2000年代の初頭に原子力族が勢いをつけた大きな理由で、その傲慢ぶりが安全性軽視の風潮をつくりだして、大事故を招いてしまったのだ。

次世代にとって、どちらが賢明な選択であるかは、もはや自明のことであろう。