庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

長期エネルギー戦略の転換における石炭火力発電の位置付。

2013-05-28 | 国創り政治問題
食料の自給率を高めると同時に、国内農業の刷新を「高付加価値農産物」の新産業育成に方針を決めるのが、国創り再生の第一歩である。
そして、長期エネルギー政策で、【完全に失敗した原発依存路線】を大幅に転換して、その上で、エネルギー自給率を高める必要性がクローズアップしている。
原発維持推進論者の主張は、エネルギー自給率の不安を訴えて、だから、燃料の備蓄が容易な「原子力発電依存」が良い、との神話を作りだしてきたのだ。
だが、日本の様な地震多発の過密国土では、【原発依存は全く不適切】となった。
その認識の上で、エネルギー自給の目標と戦略を創り直す段階である。

天然ガス発電の優位さが、経済性の面で見直されて、アメリカにも日本向けの輸出の動きが活発化している。
しかし、天然ガスへの依存度を上げすぎるのも、世界の需給と市況の変化に弱くなるので得策ではない。

そこで、石炭火力発電の優位な面が見直されて、マスメディアの前面にも登場してきている。
石炭の可採掘年数は120年で、石油の40年よりも逼迫するリスクは全く少ない。
燃料価格面でも、石油や天然ガスよりも、圧倒的に安価で利用出来る。

日本の石炭火力発電の最新技術は、世界では最高のレベルにある。
横浜市の磯子火力発電所は、2002年と2009年に最進の石炭火力発電所を稼働し、エネルギー利用効率は43%を実現している。
世界での石炭火力発電のレベルは、ドイツ38%、アメリカ36%、中国34%、インド32%であり、日本は技術水準の高さを誇っている。
日本の様な人口密度が過密な地域でも、排出ガスの硫黄酸化物濃度のレベルは、アメリカの5%、中国の4%と圧倒的に低いレベルで、クリーン度は世界一だ。

原発停止により「火力発電の消費燃料の増加」が、電力料金の値上げの要因とされているが、石炭火力発電の発電コストは、9.5~10.5円/kWh.と安価で、石油火力発電の36~38.9円/kWh.に比較して、圧倒的な安さである。
原発停止後に火力発電の予備機を稼働させて、電力供給を賄っているが、その19%が石油火力発電が占めているのが、電気料金の値上げの原因である。
石油は世界中で逼迫しているので、今後も価格が下がることは全く望めない。

できる限り、早くに石炭火力発電に切り替えるコトが日本の利益になる
しかし、将来においてはお荷物となりかねない弱点もある。(以下、次回)