庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

電力事業の安定供給を維持するのが原発再稼働の目的だ。

2013-05-20 | 経済問題
原発の再稼働を急ぐ理由は、電力会社の倒産を防ぐため、ないしは、赤字転落によって、電力会社の社員の士気が落ちるのを防ぐ為である。
これをハッキリと説明すれば、「どの程度の発電量を原発の再稼働で賄う必要があるのか」、各地域で具体的な議論が進められる様になる。
それを国民に説明しないで、原子力規制委員会の新基準を満たした原発は、すべて再稼働する、との姿勢を採る安倍内閣は、原発の積極推進と受け取られる。
国民の大多数の7割以上が、「脱原発、減原発を期待」している世論に逆行して、
国民生活に無用の不安を増加させているのだ。

まず、「活断層の可能性が指摘されている原発」の再稼働は、グレーの状態でアイマイにするのではなく、潔く【廃炉に決定】する。
電力会社は抵抗するであろうが、国民の意思を尊重し、不安を除去するためには、政府が責任を持って廃炉に誘導するべきである。
電力会社の判断に任せていては、いつまでもグズグズと、異議を申したてて裁判に持ち込んでも抵抗するであろう。
それは、抵抗もせずに廃炉にしたら「電力会社に損失を与えた経営者」として、「株主代表訴訟」に持ち込まれて、損害賠償を経営者に課せられるからである。

次に「稼働後30年以上も経過した原発」は、設備償却も進んで資産価値は残り少なく、この原発に追加の安全対策を投資しても、おカネの掛け損になる。
これも潔く【廃炉に決定】すれば、資産価値がゼロになる分と廃炉費用の積み立て不足分を明確にできる。
この損失分は、電力会社の特別経費増として、電気料金の算出根拠に認めることで、電力会社は損失にしないで済むから、経営者責任にはならない。
ただし、その分の電力料金に値上げは、その地域の電力利用者の負担で賄うことになるので、地域自治体の同意が必要とされるだろう。

さらに、福島県にある原発や、静岡県の浜岡原発の様に、地元の自治体が廃炉決定を強く要望している原発は、残存価値があっても、潔く【廃炉に決定】するのが、世の中の常識であろう。
その場合に、資産価値がゼロになる損失と廃炉費用の積み立て不足分は、電力会社の損失にしないで、電気料金の特別経費分として認めることにする。

つまり、原発を国策として利用して、その利益を受けてきた地域の電力消費者が負担するのだ。
『受益者が負担するのが原則』であるから、スジが通る理由だ。