庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

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安倍内閣の決められない政治が電力事業の赤字拡大原因だ。

2013-05-01 | 核エネルギー・原子力問題
日本の経済成長戦略に不可欠のエネルギー政策が、自民党に政権交代してからも不透明な状況のままである。
自民党は、民主党の三代の政権(鳩山、菅、野田内閣)を、野党の無責任さを丸出しで、ことごとく審議を引き延ばして足を引っ張ってきた。
民主党の内部の意見相違も露呈して、決められない政治が続き、経済の停滞に拍車をかけて迷走していた。

安倍首相は、決断できない政治は「無能力の表れ」として、民主党のやり方からは決別すると豪語している。

しかし、電力事業の方針については、自民党自体がまとまりもなく、長期の目標も迷走状態にままで、その結果が、【電力会社8社の赤字決算】となって、経済活動に暗雲を巻き起こしている。
2012年度決算は、東電の損失が最大で6800億円に達し、【倒産すべき状態】だ。
他の7社の赤字額は、約9000億円にたっし、その原因を原発が停止した状態で、火力発電の燃料費がかかったためと言い訳をしている。
しかし、原発は国民の総意で、「安全を確認できない状態では停止すべき」となっているので、それを原因にする責任転嫁は許されない。

これだけの赤字を出しておきながら、老朽化した原発も含めて48基が停止のままで「原発維持費に1兆2000億円を投入」している。
この維持費を仮に「4分の3の原発を廃炉」の方針に決定すれば、9000億円の出費が抑制される筈だ。つまり、7電力会社の赤字分は、不要な原発の維持費の為に発生したことと同じなのである。
老朽化した火力発電所の故障に備えて、「4分の1の原発だけは当面維持する」と決定すれば、電力会社の赤字はゼロ、電気料金の値上げは必要なくなるのだ。

さらに、50基の原発を原子力規制の新基準に適合させようとすれば、現在判っているだけでも、1兆2000億円の追加投資が必要で、さらに増加しそうである。
まさか、全50基の原発を動かす方針ではなかろうに、安倍内閣は、原発の処置の方針を棚上げしたままで、【電力会社任せに丸投げ】の状態である。

今すぐにでも、維持する原発の選定を12基以内に決定すれば、電力会社の赤字はゼロになり、安全対策の追加投資も3000億円程度に激減する。
その浮かせたお金は、将来の再生可能電力関係に投資をすれば、経済活性化に大幅に貢献できる。
それすら決められない安倍政権は、民主党以下の能力だ。