庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

東海地区での大規模地震と津波の被害をどう考えるのか。

2013-05-25 | 核エネルギー・原子力問題
中部電力は、民主党政権時代に「静岡県浜岡原発」の停止要請を受けて、当時の原発への国民不安に対応して、稼働を停止した。
しかし、自民党政権に交代してからは、保有している浜岡原発を再稼働させる計画で、津波に対する防潮堤にカサ上げ工事を進めている。
さらに、安倍首相の「原子力規制庁の安全審査に合格したら再稼働を要請する」との口約束をもとに、新基準に適合させる追加の設備投資をしようとしている。

なぜ、浜岡原発の停止要請が出されたかは、すでに、忘れてしまったかのような対応ぶりである。
最大の理由は、南海トラフで起きる可能性が高い「大地震の発生の確率が高い」ことであり、30年以内に60~70%の確率であると発表された。
原発設備の事故対応において大地震に対しては、不測の被害が出ることは、福島原発大事故で証明されてしまった。
今までに分かった範囲での知見で、最大の安全対策をするのは当然であるにしても、人知の及ぶ範囲は限られて、想定外は今後も起きうるのだ。

浜岡原発は、日本の大動脈である東海地区に被害を及ぼす可能性が最大の原発であり、建設当初から疑問が出されていた。
しかし、「原発の安全神話と安価神話」を後ろ盾にして、強引に「中部電力の原発保有」の実績をつくり、日本中のどこにでも原発立地をさせる機運をつくることに成功したのである。
しかし、中部電力は原発を稼働する必要性は低く、浜岡原発の稼働が停止した状態でも、中部電力は【電力供給不足】を起こす恐れはない。
停止状態が続いても、中部電力は電力料金値上げの必要性はもっとも少ない。
浜岡原発に立地する静岡県、30km圏内の自治体は原発の再稼働に反対である。

これほど、再稼働の必要性が少ない「浜岡原発」を、大金を投じて再稼働に持ち込もうとする意図は、原発の資産価値が2470億円、積み立て不足額1428億円を、稼働する電力費でカバーしたいのである。
この経費を稼ぎだす為には、あと30年以上も「危険性が高いママの原発を稼働」すると、地元県民はもとより日本の国の活動に大被害を及ぼす【福島原発事故をはるかに超える】リスクをとることになる。

地元県民の意向を無視してでも「再稼働を認める」という安倍首相の「原子力産業へのリップサービス」は、アベノミクス以上の疑問だらけである。