東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
毎日読んでいただくと、心がホンワカ・・・

ペースメーカー

2010-02-21 | 私の師匠
父が昨年亡くなるとき、死を迎えるまでのある期間、非常に苦しんだ。それは、胸にペースメーカーを埋め込んでいたためだ。心臓以外の内臓は衰えても、心臓だけはペースメーカーの力を借りて、いつまでも鼓動する。したがって、死にたくても死ねないのだ。その様子を見ていた我々家族は、ただ、涙するばかりであった。

そして、父がやっと安らぎのときを迎えた後、家族が、「ペースメーカーを入れてなければよかったね」と。でもその後、母が気付いた。「ペースメーカーのおかけで、寿命を10年永らえさせてもらったのだから。愚痴を言うのはいけないね」と。そして、ペースメーカーに向かって、「ありがとう、命を永らえさせてくれてありがとう」とお礼を言っていた。

無機物であるモノにも、心はあるはず。したがって、母は、今までの悪口から一転して、お礼の言葉を述べた。

確かにそのとおりだ。私が退院するときも、そのペースメーカーのことを思い出し、ベッドに向かって般若心経を唱えさせてていただいた。「ありがとうございました」とお礼の言葉も述べることが出来た。もし、あの出来事を思い出さなければ、自分がお世話になったベッドの置かれた空間に、お礼を言うことはなかっただろう。


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