東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
毎日読んでいただくと、心がホンワカ・・・

スペイン敗退の背景

2012-07-31 | 失敗の気づき
男子サッカーで、スペインが日本に引き続いてホンジュラスにも負けた。そこで、意外な結末に、優勝候補のチームが予選リーグから敗退した理由を私なりに考えてみた。もちろん、サッカーに詳しくない私だから、「禅」の見方で探ってみた。

禅は、剣道・柔道・弓道などに大きな影響を与えているが、剣道の世界の話である。剣道においては、驚・懼・疑・惑の四つは戒とされており、まさに真剣勝負で二人が向かい合ったとき、以下の一つでも心に思ってはいけないと教えられている。

【驚(おどろく)】
突然の出来事に心が動かされ、一時心身の活動が乱れて、正常な判断や適正な処置を誤り茫然自失してなす術のない状態。

【懼(おそれる)】
恐怖心のおこることで、こういう時に心身の活動が渋り進退の自由を失う状態。

【疑(うたがう)】
相手の心や挙動を疑って見定めない心の状態で、自己の意志決定ができず決断がつかないで、体の自由を失い相手の動作に応ずることができない。

【惑(まどう)】
心が疑うことで、心惑うときは、精神昏迷し、敏速な判断も軽快な動作もできない。

スペインは、日本に負けて、チーム全体が「驚」「惑」の世界に入り、ホンジュラス戦においても、「驚」「惑」の余波から逃れられなかったのではないかと。


Watch What Happens

2012-07-30 | 私の師匠
昨日は、ジャズ・ボーカルのレッスン日。音痴の私でも、I先生は教えることを拒まない。教え方が上手いから、2時間で2曲をマスターできる。ただ、人前で歌えるようになるかどうかは、これからの練習次第だ。先生曰く「歌の気持ちを読み取り、その気持ちを込めなさい」と言われる。

恋の歌であれば、恋していた時のその気持ちを思い出さなければならない。歌うときや楽器を奏でるときなど、芸術においては、感情移入が求められる。しかし、芸術だけでなくビジネスも同様だ。社内のスタッフ、あるいはお客様に何かを伝えるとき、感情移入すると、コミュニケーションは円滑に進む。

心のこもった言葉は、間接的に次々伝えられても、言葉の魂は生きている。それは、聞く人に感銘を与えるから、次に伝えるときにも、生きて伝わる。

ターゲットのズレ

2012-07-29 | 失敗の気づき
商売をするときのスタート時の課題と言えば、「顧客ターゲットの適切な把握」である。自社の強みから導き出したターゲットが、もし間違っていると、集客は難しく売上を確保できない。

先日、私も同様の体験をした。セミナー受講者の想定のズレによる、満足度の低さという失敗を久々に体験した。それは、主催者から聞いていた受講者ターゲットと、実際の受講者が全く違っていたための失敗である。開催直前に受講者情報を聞いてはいたが、今さらテキストを修正する時間もないため、無理矢理強行したら、やはり駄目だった。

まさに、講演やセミナーは、誰をターゲットにして、どのレベルを基準にして話すかによって、内容理解度は変わってくる。久々の失敗は、「初心忘るべからず」を思い起こしてくれた。

早朝散歩の報酬

2012-07-28 | 初体験の気づき
昨日の早朝散歩にて、不思議な人たちに出会った。お一人は、自転車に乗った中年男性で、大きな声で一人語りをしている。誰かに何かを報告している様子なのだが、電話は見当たらない。そして、5分後。今度は初老の男性が、ジグザグに道を歩いている。とにかく、右側に空間があると、そちらに進んでいくから、ジグザグになってしまう。

ヘンテコリンな光景だが、もしかして、何かの意図でわざとしているのであれば、変な人というよりも大物的な人かもしれない。あるいは、お見かけどおりの変人か、いかれているかも知れない。とは言え、人間は、変な人は、自分のことを自覚できていないというから、もしかすると、私自身が変なのかもしれない。

こんな妙なことを思いながら始まった暑い日は、いつもどおり楽しいことの連続である。

フットワークを軽く

2012-07-27 | 経営の気づき
2012年上半期(1-6月)の飲食業倒産は418件(前年同期比0.2%増)だった。しかし、これからさらに増加するとの予想もあり、年間最多の2011年を上回るかもしれない。「中食」「家飲み」に象徴される消費行動の変化や所得の伸び悩みから、外食市場は縮小している。

デフレ経済の下、価格競争が激化する一方で、食材などの仕入価格は上昇しており、こうした変化に対応できない小・零細規模の飲食業者が苦境に立たされている。

経営コンサルタントである私に頼る事業者の方もおられるが、改善の見込がある場合と、全く対処しようがない場合がある。後者の相談は、もう手遅れの状態にて、改善に向けての活動の選択肢が少なく時間がない。もっと早めに相談いただければ、何か打つ手があったかもしれないのだが。

どうも男性は、女性に比べてアクションが遅く、なかなか動かない。経営者の奥さんから私に相談があったとしても、ご主人の経営者が来られないから、課題解決に向かっての討議にならない。男たちよ、もっとフットワークを軽くしようよ。

(そう言えば、私も我が家でのパーティーが増え、外飲みが減っている。しかし、写真のようなオードブルを購入しているので、飲食業者の方には、そこそこ貢献出来ている)

パワーなし

2012-07-26 | 人生の気づき
先日、久しぶりに食事を共にした友人に、パワー不足を感じた。大きな病と闘い続けているためというよりも、精神力の影響が大きい。前のように話に勢いがなく、気力のパワーが伝わってこない。病を乗り越えるためには、先ずは自分の気持ちをどのように整理するかにかかっていると思うと、残念でならなかった。

しばらくして、またパワー不足の集団に出会った。私が支援させてもらっている会社のプロジェクトチームの面々である。理由は語ってもらえなかったが、全社員を揺るがす大きな出来事があったようだ。前者の例は、自分自身のことが影響したものであるのに対して、後者の例は、環境変化に影響されている。

人間は、弱い動物だ。何かにつけ、状況変化で、自分の気持ちが明るくなったり暗くなったりする。出来れば、何事にも影響されない強靭な精神力を持ちたいが、難しい。しかし、何事にも無欲で、平常心を保つ日々の努力は必要かも知れない。

i-sole第三弾

2012-07-25 | 雑談
亀岡酒造のi-soleの第三弾が発売される。提案者は松山大学の学生たち。私が主宰する「千代の亀101」は、日本酒の愛好者で組織する会だが、その席上で新しい企画が発表された。初々しいプレゼンは、なかなか好感が持てる。プレゼン慣れしたビジネスマンとは異なり、まさに素人の初体験かもしれない。

マーケティングのプロの私からすれば、企画書のまとめ方もイマイチだが、だがその初々しさが逆に好ましい。若者の感性でまとめた企画書、なかには素晴らしい素材もあった。とにかく、このような場にめぐり合えたことが嬉しい。

覚えて頂いていました

2012-07-24 | 雑談
私の馴染みの店での出来事である。ジャズ・バーにて、学生アルバイトのボーイさんが、「ブルー・マルガリータ」の私のオーダーに対して質問をした。「いつも、グラスの回りに塩をつけないでくれと言われていますが、今日もそのタイプでしょうか」と。私は「血圧が高いから塩を塗らないけど、今日は、すこしつけてください」と付け加えた。私の好みを覚えていての質問は、非常にありがたい。

そして、帰りのタクシーでも似たようなことがあった。なんと、運転手さんが、私の自宅までスイスイと運転する。一言目標を伝えただけなのに、目標以降もスムースに運転されていた。私はビックリして尋ねた。すると運転手さんは、「お話させてもらったときの声で、前に乗ってもらったお客だとピンときたものですから」と。私の声と私の自宅を覚えておられるとは、お見事。

人間は、他人様から自分のことを覚えていただくことが如何に嬉しいか。客商売はこうでなければならない。名前と顔そして声までを覚えてもらって、さらに好みまで記憶してもらえれば、客冥利に尽きる。したがって、単純な私は、またこの人たちに出会いたいと、再会を願ってしまうのである。


顔を見て話そう

2012-07-23 | 経営の気づき
大切な用件を電話で済ますのはまずい。実際に、顔を見合わせて面談していると、プラスアルファの情報が入る。ちょっとした表情の変化で、相手側の理解の程度が分かるので、微妙な話は電話で済ませてはならない。先方まで出向く時間と帰る時間をカットしようとして電話で処理したり、メールで終わらそうとすると、手ひどいしっぺ返しを食らうことがある。

つい最近の話だが、契約終了をメールで知らせてきた事業所がある。本来なら、こちらに出向いてきて、契約期間途上の解約の非礼をわびるべきだ。日ごろから常識の通じない事業所だったから、当たり前でこんなことをする。したがって、不本意ながら、こちらも、先方のレベルに合わせて対応してしまう。

別の会社ではこんなことがあった。ある重大な用件を、幹部社員が電話で伝えてこられたときも、私も含めてお互いが軽く受け流して、大切なことが協議されずじまいであった。しかし、たまたま、同社の社長と出合ったがために、その話になり、重大なことが抜け落ちていたことが分かった。やはり、重大な案件は、顔と顔をつき合わせて、じっくりと情報交換すべきだ。

重大なことには手間を省くのではなく、手間をかけることによって、仕上がりも何がしか違ってくる。

ひきずる靴

2012-07-22 | 初体験の気づき
先日、人生の初体験をした。とは言ってもくだらない話だから、耳をそばだてられると恥ずかしい。仕事にて訪問させてもらった事業所に、靴べらが無いものだから、靴が履けない。紐を全部外さないと、この靴は履けない。見送りに出て下さっておられる皆様の目の前で紐を解けないから、つい、靴を引っ掛けたまま外に出た。

車の運転は、事務所のスタッフがしてくれていたから、ではいっそのことこのまま帰ろうと、靴を履かないままひきずって歩いた。なんとも妙な気分だ。パンツを上まで上げないで、宙ぶらりんのまま歩いている感じ。物事は、収まるべきところに収まっていないと、気持ち悪いということか。

しかし、面白かったのは、行き違う人たちが、不思議そうにこちらを見ている光景だ。若い頃だと、ここで恥ずかしいと思うのだが、羞恥心は無い。むしろ、他の人たちがいぶかしげに見ているのが楽しい。

若者にインタビューされる

2012-07-21 | 人生の気づき
先日、講演先で出会った若者が、インタビューしたいとの申し出があった。もちろん、前向きの青年は応援したいので、即座に快諾した。そのときは、インタビューの目的も尋ねなかったので、当日、最初に私が質問したのは、インタビューの目的であった。

彼の答えは、「自分の成長のために、これはと思う人に出会うと、インタビューをお願いしています」と。なるほど、自分のためなのだ。私は、てっきり、私に講演を依頼した機関の機関紙にでも載せるのかと思っていた。個人的なものだったとは以外である。

以前、起業を目指す人たちを集めてのセミナー「創業塾」において、懇親会の席で、出席者全員に「座右の銘」を尋ねて回っている青年がいたが、要するに、彼と目的は一緒だ。自己研鑽のためだ。

今回のインタビューで気づいたのは、質問されたことが、即座に私の言葉にまとめられてつらつらと出てくること。考え込むことなく、素早く回答できたのは、このブログのおかげだ。ブログに日ごろの考えをまとめているから、私の哲学を聞かれても、詰まることなく回答できた。

(今回は、彼の写真を撮り損ねたので、以前にテレビ局のアナウンサーからインタビューされたときのものを掲載した、)

4人目の孫

2012-07-20 | 人生の気づき
4人目の孫が生まれた。最初の孫が生まれたときは、自分がお爺ちゃんになったことを認めなかった。したがって、お爺ちゃんと呼ばれても返事をしなかった。しかし、そろそろ免疫力が出てきた。そろそろ、お爺ちゃんでもよしとするか。これからは、仕方ないと開き直ることにする。

認識というのは、どうも時間差があるようだ。最初の孫が生まれて4年経過すると、そろそろ諦めの心境が体全体に充満し始めた。精神的にはまだまだ青年なのだが、自然現象には逆らえない。

私が経営コンサルタントとして開業したとき、周囲から「先生」と呼ばれても、自分に対する呼称という実感が無かった。やはり、何事も度重なる体験を経て、実感を得るのだろう。人様から呼ばれて、呼ばれる名前の自分を自覚するようになる。

いじめ事件の動物行動学的観察

2012-07-19 | 雑談
進化生物学、動物行動学、生態学などで用いられる用語に、利他的行動という言葉がある。この言葉の意味は、ヒトを含む動物が他の個体などに対して行う、「自己の損失を顧みずに他者の利益を図るような行動」のことである。人間は利他的行動を行う「徳」が備わっているが、他の動物は果たしてどうだろうかといった類のものを研究している。

人間に近い知能が備わっているチンパンジーで実験した結果、相手から要求があれば手助けをするが、その状況を理解して自ら進んで利他的行動を行うことはないという。やはり、人間の利他的行動は格段に優れているということだ。しかし、人間にも色々な人がいるため、誰と出会うかという運によって、利他的行動が全く伴わないこともある。

いま盛んに世論をにぎわせている「大津市のいじめ事件」でも、学校関係者の利他的行動が優れていれば、このような事件も起こらなかったと推察される。救いを求められれば助けるのは、動物さえ行っている。しかし、人間は、救いを求められなくても、自発的に状況を分析して、自分に損であると理解しても救出する。本来、教育者として備わっているべき「利他的行動」が消えているとは、何事か。

能力なんて関係ない

2012-07-18 | 経営の気づき
人間は人それぞれにて、もって生まれた能力は、みな異なる。「手先の器用さ」「アイディアの発想力」「粘り強さ」等々。しかし、もって生まれた能力よりも、甚大な力を発揮するのが、「継続の力による能力アップ」である。生まれつきの天才の才能よりも、粘り強く訓練することによって高める力の方が大きい。

ミシュランの星を獲得している寿司屋の店主さんも言っておられた。「就職したとき、仲間の中で最も手先が不器用だったから、自分はがんばった。人以上にがんばったから、人から尊敬される技術を持つまでに至った。もって生まれた能力の大きさを自分勝手に判断することなく、ひたすら精進するだけだ」と。

私の場合を振り返っても、これまで経験量の多い仕事分野の能力が一番高い。経験の数、励みのパワー、これらがスキルアップにつながる。

交流の利益

2012-07-17 | 経営の気づき
先日のパーティーは、30数名が集まり、楽しいひと時を過ごした。事前に把握した生年月日をもとに、動物占い(個性心理学)に基づいて、太陽チーム・地球チーム・月チームに分けられている。性格の似通った集団でグループ形成するという、幹事さんの企画、なかなか見事である。

各テーブルで話が弾み、次回集合の約束をしたグループもある。やはり、一人よりも複数、少数よりも多数の力の偉大さがよく分かった。何人かが集まれば、情報もたくさん集まり、分析力もお互いを補完しあって、よりパワーが高まる。

まさに、経営の醍醐味と一緒だ。社員集団の力、集団の力をコーディネートする社長の役割は重要である。