ことのは

初めに言葉があった。言葉は神とともにあった。言葉は神であった。と、ヨハネは言う。まことに、言葉とは不可思議なものである。

地域振興券

2020-12-07 10:41:08 | 日記・エッセイ・コラム
もう一か月以上前か、
よく行く商業施設で、
いつもと違って多くの人々が集まっていた。
プレミアム付商品券が販売されていたのだ。
これは新型コロナ対策で地域経済振興の為らしい。
だから域内でしか通用しないが。
なるほどと感心しながらも、
私は並ぶのが嫌いなので素通りした。
調べてみると、
県下では他の市町村でも同様の企画をしていた。
勿論当県だけではなく全国的にも行われている。
それにプレミアム付どころではなく、
無料の地域振興券と言うのもあるらしい。
これは生活支援も兼ねているようだ。
どことも経済活性化のために必死である。
もとより経済は生活に直結しており、
文字通り死活問題なのだ。
・・・・・
通用するのが域内だけなら、
域内で使うしかなく、
だから域内の経済が活性化する。
しかも期限付きだから尚のこと。
経済が活性化するとは、
人の働きの結果である成果、
すなわち財やサービスが動くということで、
それは交換と言う形を取る。
交換が活発になれば、人々の生活は向上し、
そして何より安定化する。
それが経済の活性化である。
そのとき必要になるのが、交換を仲介するもので、
それを通貨と言っている。
地域振興券は公式には通貨ではなく、
商品券という通貨もどきだが、
実質的には通貨と同じです。
さりながら、
それが通貨であろうと通貨もどきであろうと、
そこに交換価値が認められれば、
経済活動は成り立つ。
それは信じて用いられるからで、
つまり通貨の本質とは信用にほかならない。
以前にも言ったが、金でも同様である。
金は確かにそれ自体に価値があり、
そも絶大な信用がある。
でも金自体が目的ではないのだ。
金自体は命の糧にはならない。
そこは誤解なきよう。
・・・・・
通貨の価値を支えているのは何なのか。
それは結局は財やサービスである。
財やサービスを生み出す力である。
それがなければ、そも通貨など意味がない。
このこと論を待たない。
以前にも言ったが、
日本円を担保してるのは日本人の働きだと、
つまりは日本人だと。
それはである、
日本円を持っていれば、
欲しいものが手に入るのです、
日本人が作った財やサービスが得られるのです、
それが価値である。
だからその基を生み出す力、
人の働きが大事であり、
それが通貨の信用を支えている。
このこと疑いようなし。
世間では中央銀行が通貨の番人だと言ってるが、
それはそうだが番をしてるだけ、
支えているのは人(の働き)です。
その査証の一つが、
例えば上念司氏が言っている、
中央銀行の役割の第一は失業率を下げることだ、
という言辞です。
実に真です。
それが通貨の信用の基盤である。
・・・・・
今世界にある各国の通貨は、
いわば地域振興券の大型版である。
違いはどこか。
地域振興券(商品券)は形式的には通貨が担保する。
通貨は形式的には担保がない。
信用のみです。
それだけです。
ちなみに、
国家が通貨発行権を奪われたらどうなるか。
地域の振興ができなくなるのです。
国としての経済対策が打てなくなるから。
その結果はどうなる。
答えはEUを見れば明らか。
壊れるより他ない。
経済力の弱い国から。
日本のように歴史・伝統・文化を共有し、
国内の移動が自由であるなら問題はない。
EUはある程度のまとまりはあるが、
根っこはなかなか厳しく、
シェンゲン協定なるも用意したが、
昨今の野放図な移民受入もあって、
上手くいかない。
それに気づいたのか、英国は一抜けをした。
そもユーロ(共通通貨)を採用していなかったし。
賢いのか、狡いのか。
以上の通りだが、
要注意なのは、世界通貨と謂うものだ。
こんなものが創られたら世界は終わる。
混乱の中でのたうち回って。
基軸通貨ぐらいは必要だが。

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