人は最初の印象だけでは分からない。
最初の印象とは違った、ということはよくある。
というか、それがほとんどである。
では、どうしたら分かるのか。
・・・・・
その人を分析すればよいのか。
腕を調べれば、腕が分かる。
でも、その人は分からない。
その人の腕がよく分かるだけである。
脳を調べれば、脳が分かる。
でも、その人は分からない。
その人の脳がよく分かるだけである。
細胞を調べればどうだろうか。
細胞の数を調べればどうだろうか。
分からない。
いよいよ、さっぱり分からない。
では、どうしたらいいのか。
・・・・・
その人はその人全体でその人である。
姿形・顔形、歩き方、態度、言葉使いその他諸々。
個々の情報をバラバラではなく、全体として把握しなければならない。
その一つの方法は、寝食を共にすることである。
同じ釜の飯を食って、一緒に仕事をする。
そうすれば、だいたい分かる。
何となく分かる。
おおよそ分かる。
分かるということは、たぶんそんなとこである。
つまり、
「分かったような気になる」ということが、
分かるということであり、
「はっきり分かった」という人があれば、
それはたぶん誤解である。