創価学会の信仰に功徳はあるか?

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318.曼荼羅の世界 真鍋俊照(著)

2011年03月07日 23時10分32秒 | 創価学会
曼荼羅の世界 真鍋俊照(著) 朱鷺書房
昭和五九年九月十日 初版

P128
一字金輪マンダラ

 これにはいくつかの種類がある。その一つに方形のマンダラがある。
 赤い円の中に智拳印を結び、五智宝冠を頂いた大日如来がある。七匹の獅子を従えて、その上に座っている。それから、天蓋を上に置き、象や馬などの動物、三昧耶形などをわまりに配している。
 天台・真言で数多くの修法が行われ、多くの一字金輪マンダラが残っている。単独の尊のマンダラとしては一番流行したものといえよう。特に平安・鎌倉時代には、中央の大日如来に帰依するためとか除災の為に行うことが多かったようである。例えば出産の場合などに災難が起こらないように、一字金輪法という修法が盛んに行われたが、その本尊にもなったくらいである。
中央の大日如来は、大日金輪である。金剛界の大日如来は智拳印を結び、胎蔵界のそれは定印を結んでいる。その2つを組み合わせ、両方の役割を果たしている物、調和と統合という意味を持っているのが大日金輪である。つまり大日如来が金輪になると金剛界と胎蔵界の両部の大日如来が投影されて一つになる。相反する世界を統合するのであるから、そこに絶対的調和、あるいは両方の性格を組み込んだ別な絶対者ができる。これを不二という。こういうものを両面に打ち込んで組み立てたのが一字金輪マンダラである。
 大日金輪の力は、五百由旬那も遠方に及んで、宇宙全体を支配するがごとくだと言われる。
大日金輪の周囲に、群青に近い色が塗り込められており、この青色が虚空をあらわしている。その中にシンボリックな仏、動物が登場する。大日如来の性格を一字金輪という中身に置き換えて表現しているわけである。

P131
大仏頂マンダラ

これは平安時代に一字金輪曼荼羅を混同されやすいマンダラとして登場する。(以下略)

P134
虚空蔵マンダラ

密教には空海が大龍寺や室戸で行った難行の一つに虚空蔵求聞持法という秘宝がある。
(中略)
虚空蔵マンダラは京都の醍醐寺にただ一つ現存している。

P134
摩尼宝珠マンダラ・宝楼閣マンダラ

 摩尼というのは、釈迦の舎利(お骨)のことである。摩尼はインドで8つに分けられて、あちこちにまつられる。この摩尼を重要なテーマとしたマンダラがいくつかあり、それが摩尼宝珠まんだらと宝楼閣マンダラである。
(中略)
宝楼閣マンダラは我が国では平安時代の末期に藤原氏一門が宝楼閣法を修し、その時の本尊として使った。減罪のために宝楼閣の功徳を賛美したことから有名になった。ところが藤原道長の頃になると、宝楼閣マンダラはとても使用しかねたとみえて、その功徳をとかなくなっていく。むしろ、高野参詣や熊野参詣など、実際に歩いて宝楼閣の中の舎利を奉納する、そういう歩く過程に変わっていくわけである。
(中略)
真ん中の摩尼は釈迦の無限の超自然的な力によって、地から現われ、最初小さかったものが、祈りや釈迦を賛嘆することによって、大きくなっていくというシステムを持っている。
仏教から密教へ転ずるときに、仏の持つ超自然的な力を図像化したものが摩尼宝珠だといえる。現在なお、摩尼宝珠は、単に仏の舎利というだけでなく、密教のマンダラの中核をなす重要な意味を持っているわけである。
 円形であるか方形であるかは、密教マンダラを理解する上で重要な要素である。金胎両部の考えに基づくと、胎蔵界は円、金剛界は方形というシンボルが背景にあって、それを調和させて不二とする。それが方形と円形の合体である。

P137
法華マンダラ

 法華マンダラは宝塔が舞台となる。宝塔の中に釈迦と多宝仏が入っていて、これを念じ行う行法が、法華の法要なのである。この本尊として作られたのが法華マンダラである。
 平安時代の仏教(天台・真言・南都)を旧仏教、鎌倉時代のものを新仏教と呼んでいるが、この法華マンダラはその過渡期に相当している。つまり、加持祈祷の盛んな天台・真言の宗教形態から、もっと人間を重視した新しい仏教へと変わる、その過渡期に法華経が重要な役割を果たしており、法華経の教義を描いたのが法華マンダラといえる。
(中略)
 では、法華マンダラがなぜ真言の中にあるのか?法華経を転読したり、一日に一仏描いてくこと(頓写)による減罪が、法華信仰の中で盛んに行われ、鎌倉時代には一世を風靡した。そういう減罪の考えを、密教の側から延命効果のために、悪く言えば、す’り’替’え’た’わけである。たとえば法華マンダラでは密教の中台八葉のパターンを借り、しかし中心には大日如来ではなく多宝二仏を配置している。などの点に、すり替え、あるいは構図の借用が見て取れよう。
 したがって、法華経と密教との折衷的構想で組みあがったマンダラが法華マンダラだと言えると思う。

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「曼荼羅の世界」P50の「敷マンダラ」

宝塔を中心に右に大日如来、左に釈迦如来(?字が不鮮明)の2仏形式のマンダラ写真があります。
この敷マンダラの所蔵寺院と年代は例によって例のごとくさっぱり不明。
敷マンダラは大きなお寺で複数所持されている可能性があるのだそうです。
このマンダラの制作年代によっては 「中央に宝塔(法)二仏」という形式は日蓮生前からあったのかもしれません。
この「敷マンダラ」は壇の上に敷くマンダラだそうです。

曼荼羅の世界 真鍋俊照(著)P50の敷曼荼羅拡大画像


図解・別尊曼荼羅 密教図像を読む
大法輪閣 高橋 尚夫 (監修), 小峰 弥彦
平成13年01年08日 第1刷発行
'11年3月22日読了、
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4 コメント

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Unknown (米山士郎@管理人)
2013-03-12 00:44:26
日蓮って ver.23
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/koumei/1362498478/
返信する
Unknown (米山士郎@管理人)
2013-03-12 00:36:12
15+5 :名無しさん@お腹いっぱい。 [] :2013/03/06(水) 21:04:46.69 ID:HVNcIQA1 (3/3)
>>12
テロに屈しないのは国際的コンセンサスだろ。
平気で人を殺せるイスラム原理主義者のような相手に、対話など通用しないわな。
抑止力としての武力がなければ、世界はアラーの神か中国人に乗っ取られる他ない。

人間の最大の武器は英知だろ?
テクノロジーの粋を集めた最新兵器も必要だろうが、それは張り子のトラでよくて、
経済や文化のソフトパワーを抑止力とすべきだ。
法華経の兵法も、それを言ってるんだと思うよ。
暴力の闇を払うのは叡知の光だ。
釈尊は、人間の中にあるその光を悟ったんだろうね。

日本第一の智者になし給えと、大聖人は誓願を立てられた。
なるほど。
仏とは智者のことなのか。


25+1 :名無しさん@お腹いっぱい。 [] :2013/03/07(木) 08:32:40.93 ID:KIDNvwDl
>>15
その自称「誓願」だが、空海の真似をしただけ。しかもクレクレだけで、空海のように経典に基づいた行は伴っていないからむろん結果も伴っていない。
そのくせ「生身の虚空蔵菩薩より大智慧を給わりし事ありき、日本第一の智者となし給へと申せし事を不便とや思し食しけん明星の如くなる大宝珠を給いて
右の袖にうけとり候いし故に一切経を見候いしかば八宗並びに一切経の勝劣粗是を知りぬ」(清澄寺大衆中)と例によってドン・キホーテばりの大風呂敷を図々しく広げてみたものの、
同文書の冒頭にある本題は空海の著書の借用申込なんだから、真言の義が初めからわかってないのが露骨で痛すぎる。とんだ御本仏だよwww


32+1 :米山士郎 ◆ozOtJW9BFA [↓] :2013/03/08(金) 01:17:14.16 ID:jivsjVf8
>>25さん
こんばんは。
ブログ名、「創価学会の信仰に功徳はあるか?」管理人、米山士郎といいます。
是非教えていただきたいことがあります。

>空海のように経典に基づいた行は伴っていない

空海さんが引用した具体的な教典の引用がわかれば教えて下さい。
教典名とおおよその位置でもOKです。

>「生身の虚空蔵菩薩より大智慧を給わりし事ありき(中略)一切経の勝劣粗是を知りぬ」(清澄寺大衆中)
>同文書の冒頭にある本題は空海の著書の借用申込

「空海の著書」は空海さんの三教指帰でしょうか?

>真言の義が初めからわかってないのが露骨で痛すぎる。

真言については大学生高校生向けの初心者本を1,2冊しかよんでいません。
やはり東密系な義でしょうか?具体的にはどういった「真言の義」なのでしょうか?

日蓮さんは天台宗(台密)、真言密教(東密)どちらのトップ(法主)ではなかったので、
法主レベルの仏教学は知らなかったのでは?という疑問を私も持っています。


37 :25 [] :2013/03/08(金) 08:47:13.54 ID:t+evRaMA (1/3)
>>32
経典名は、正確には「虚空藏菩薩能滿諸願最勝心陀羅尼求聞持法」ですが長いので、一般に「虚空蔵求聞持法(経)」と言われています。シュバカラシンハ(善無畏)による漢訳とされています。
苦行のひとつで、刑罰として使われたこともあるようです。空海は一人の沙門からこの法を教わり、作法に即して虚空蔵菩薩の真言を百万回唱え「谷、響きを惜しまず、明星来影す」と三教指帰にあります。
その成就の際、明星が口中に飛び込む霊異を体験したという伝承があり、日蓮の「明星の如くなる大宝珠を給いて 右の袖にうけとり候いし」はこれを模倣した捏造あるいは妄想と思われます。


38 :25 [] :2013/03/08(金) 09:03:19.12 ID:t+evRaMA (2/3)
日蓮が借用を申し込んだのは真言系では空海の「秘密曼陀羅十住心論」およびその簡約版の「秘蔵宝鑰」「弁顕密ニ教論」でいずれも主著です。
その理由は、真言僧らが蜂起しようとしているので批判するために参考にしたい、そうで、例によって妄想ともデマともつかぬ戯言を述べています。
これだけでも日蓮が他宗について無知なために、無内容で見当違いの誹謗中傷しかできなかった理由がわかります。
驚きなのは天台大師の摩訶止観なども貸せと上から目線で催促しています。理由は書いていませんが、いったい比叡山で何をして時間を潰していたのやら。


39 :25 [] :2013/03/08(金) 09:26:14.46 ID:t+evRaMA (3/3)
私は思想として仏教一般に関心があり、いろんな仏教思想に興味を持っているだけなので、真言の義など私は語るべき資格も知識もありません。
逆に言えば、だからこそ特定の経典だけを絶対視し、知らずに他宗を誹謗中傷する日蓮などには強い反感を覚え、仏教ではないと考えます。
日蓮については、自分が誹謗中傷する他宗について法主レベルどころか基礎的理解すら欠いていたというべきでしょう。これは真言に限った話ではありません。
ただこれは日蓮の過失というより、当時の比叡山は既に権威主義的だったので、日蓮は下位の修行僧らと法華経の自習程度しかできなかったのでしょう。
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Unknown (米山士郎@管理人)
2011-04-27 21:30:34
国指定文化財等データベース:主情報詳細
http://www.bunka.go.jp/bsys/maindetails.asp?register_id=201&item_id=2122
返信する
Unknown (米山士郎@管理人)
2011-03-09 05:46:44
画像リンクを追記した。
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