【阪神大震災21年】「泣き声が忘れられない」幼く逝った弟2人…兄は消防団員になった(1/2ページ) - 産経WEST
神戸市長田区の会社員、柴田大輔さん(28)は今年、消防団に入って丸10年を迎える。震災では2人の弟を失った。命を奪ったのは燃えさかる炎だった。「兄ちゃんが火を消してやる」。17日、今年も東遊園地(同市中央区)で弟2人に誓いを立てた。
「今でも弟の泣き声が忘れられない」
長田区海運町のアパート1階で暮らしていた。当時7歳。天井が崩れたが、寝ていた場所には偶然がれきが折り重なり、すき間ができて助かった。だが、弟の宏(ひろ)亮(あき)ちゃん=当時(3)=と知幸ちゃん=同(1)=は家具の下敷きとなった。
宏亮ちゃんが母を求めて泣いていた。がれきの下、父の昭夫さん(67)、母のやす子さん(52)とともに弟を励ましながら救助を待ったが、その声は、約1時間で聞こえなくなった。何もできない自分の幼さが悔しかった。
発生から約6時間後に救助されたが、弟たちを助け出すことができないまま、アパートは炎に包まれた。1カ月ほどして、焼け跡から遺体が見つかった。
しばらくは現実に向き合うことができなかったが、周囲に救われた。仮設住宅で学生ボランティアや地域住民が一緒に遊んでくれたりして、心が楽になっていた。やがて「大人になったら自分も人の支えになりたい」と願うようになった。
平成18年10月。18歳で長田区の消防団に入団した。それから10年。これまで本当に火を消したことはないが、大規模災害では自分に出番が回ってくると思い、休日の訓練や研修などに積極参加。広報担当として、活動内容をインターネットで紹介したりもしている。
震災から21年となった17日午前、弟2人の遺影を携え、東遊園地を訪れた柴田さん。竹灯籠(とうろう)に火をともし、「消防団も10年やってこれた。これからも頑張るよ」と手を合わせた。
神戸市長田区の会社員、柴田大輔さん(28)は今年、消防団に入って丸10年を迎える。震災では2人の弟を失った。命を奪ったのは燃えさかる炎だった。「兄ちゃんが火を消してやる」。17日、今年も東遊園地(同市中央区)で弟2人に誓いを立てた。
「今でも弟の泣き声が忘れられない」
長田区海運町のアパート1階で暮らしていた。当時7歳。天井が崩れたが、寝ていた場所には偶然がれきが折り重なり、すき間ができて助かった。だが、弟の宏(ひろ)亮(あき)ちゃん=当時(3)=と知幸ちゃん=同(1)=は家具の下敷きとなった。
宏亮ちゃんが母を求めて泣いていた。がれきの下、父の昭夫さん(67)、母のやす子さん(52)とともに弟を励ましながら救助を待ったが、その声は、約1時間で聞こえなくなった。何もできない自分の幼さが悔しかった。
発生から約6時間後に救助されたが、弟たちを助け出すことができないまま、アパートは炎に包まれた。1カ月ほどして、焼け跡から遺体が見つかった。
しばらくは現実に向き合うことができなかったが、周囲に救われた。仮設住宅で学生ボランティアや地域住民が一緒に遊んでくれたりして、心が楽になっていた。やがて「大人になったら自分も人の支えになりたい」と願うようになった。
平成18年10月。18歳で長田区の消防団に入団した。それから10年。これまで本当に火を消したことはないが、大規模災害では自分に出番が回ってくると思い、休日の訓練や研修などに積極参加。広報担当として、活動内容をインターネットで紹介したりもしている。
震災から21年となった17日午前、弟2人の遺影を携え、東遊園地を訪れた柴田さん。竹灯籠(とうろう)に火をともし、「消防団も10年やってこれた。これからも頑張るよ」と手を合わせた。