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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

多系統委縮症の誤嚥性肺炎

2013年05月10日 | Weblog

 63歳男性。8年前から体の動きがおかしくなった。何か所の病院を受診して、一昨年受診した大学病院神経内科で多系統委縮症と診断された。しだいに症状は進行して、大学病院への通院が困難となった。地元の当院神経内科へ紹介されて、再来週受診予定だった、今朝からl高熱があり、救急搬入された。救急当番は若い外科医だった。胸部X線とCTで両側下肺野に浸潤影があり、最近食事でむせていたころから、誤嚥性肺炎と診断された。紹介された神経内科医は外来に出ていて忙しく、誤嚥性肺炎なら内科で診てもらってといわれたので内科に連絡がきた。

 奥さんに聞くと、大学病院でも、嚥下障害で食事摂取できなくなった時の経管栄養や、喀痰を自力で排出できなくなった時の気管切開の話が出ていたそうだ。家族としても、結論がでない状態で今回の肺炎発症となった。まず肺炎が治らないと話にならない。唾液の嚥下も悪く、実際は寝たきり状態に近いので、肺炎の治りは悪いと予想された。うまく肺炎が治ったら、嚥下の状態をみて、可能であれなソフト食などをためしてみるが、無理なら胃瘻造設術に踏み切った方がいいだろう。気管切開はしない方針を勧めた。

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いきなり受診した膵臓全摘

2013年05月09日 | Weblog

 63歳女性が大学病院糖尿病代謝科からの紹介状をもって内科外来を受診した。2年前に腎癌・膵臓転移で腎摘出術・膵臓全摘術・胃幽門十二指腸摘出術を受けていたが、フォローはされていないという。インスリン強化療法だが、血糖コントロールがつかないと記載されていた。発熱があり、検査すると肺炎になっている。最近は血糖が500mg/dlくらいで感染症併発による血糖のさらなる悪化をきたしている。自宅で息子と二人暮らしだが、寝たきりに近く、日常生活全般にかなりの介助を要する。廃用症候群と言っていい状態で、週に1回訪問で入浴しているという。足指は大丈夫だが、手指1本は血流不全で黒くなっていた。入院治療としたが、かなり大変だ。

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頸椎偽痛風

2013年05月08日 | Weblog

 先月認知症・高血圧症で外来通院している86歳男性が、発熱が続いて受診した。誤嚥性肺炎になってもおかしくないので、さっそく胸部X線を撮ったが肺炎はなかった。手関節が腫脹しているように思われた。NSAID(セレコックス)を2週間処方して経過をみたが、翌日から解熱して調子は良かったという。連休があって薬がなくなってしまい(2週間出せば十分と思った)、4-5日内服しないでいたら、また一昨日から発熱があった。食欲はあって全身状態は悪くない。今日は左手関節と後頸部痛があった。頸椎CTで軸椎歯突起周囲に石灰化があり、頸椎偽痛風(Crowned dens syndrome)だった。またセレコックスを処方して、今回は次回予約まで継続できるよう3週間分処方した。

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肺炎で入院

2013年05月07日 | Weblog

 認知症で施設に入所している86歳男性が5月2日に前日からの発熱で受診した。右肺に肺炎を認めたが、これまでの入院歴から入院後の不穏が予想された。酸素飽和度は正常域で、食欲もあった。なんとか外来治療でいけないものかと抗菌薬経口(アベロックス)でやってみた。今日は経過を見るために予約していたが、治っていなかった。入院治療としたが、病棟に上がると看護師にこぶしで伸ばしてきてけっこうあぶない。家族に抑制同意書をもらって、なんとか入院治療を継続したいが、さて大人しく治療をうけてくれるだろうか。

 70歳男性は糖尿病・糖尿病腎症で内科に通院していた。心筋梗塞の既往で循環器科入院、小脳梗塞で神経内科入院、腸骨動脈閉そくで血管外科入院と満身創痍だ。午前中予約の外来に来て帰ったが、途中に寄った薬局で発熱・悪寒が出て戻ってきた。前立腺肥大もあり尿路感染症とおもわれたが、肺炎だった。浸潤影自体は軽度だったが、血管性認知症があり、入院とした。この患者さんも病棟内をふらふらと徘徊し始めるので要注意だ。

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今日は内科日直

2013年05月06日 | Weblog

 今日は振替休日。内科日直当番だった。入院は小児科にお願いした3歳男児の熱性けいれんと、内科で入院した42歳女性の急性胃腸炎だけだった。救急車の搬入はなかった。外来はそれなりに来たが、比較的平穏だった。

 今度の土曜日も内科日直で出るので、できれば金曜日の午後に少し休みたいと思う。18日(土)・19日(日)はプレイマリケア学会に行くので、休みなしとなる。その次の土曜日は当直。

 

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看護科の講義準備

2013年05月05日 | Weblog

 毎年5月に高校の看護科で講義がある。担当は血液疾患。ずっと以前は血液専門医が講義していたが、いなくなったからは内科医が交代で講義してきた。今は私だけの担当となった。専門ではないので、この時期は準備のため血液疾患の勉強をすることになる。教科書配布されるが、とにかくわかりにくい。何冊か血液疾患の本を買ったが、わかりやすいので病気がみえるシリーズを使っている。カラーできれいな本だ。受験参考書のような作りだが、看護科の教科書よりはずっといい。

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いつもの高齢者肺炎

2013年05月04日 | Weblog

 昨日91歳女性が肺炎で入院していた。数年前から肺炎で入退院を繰り返している。気管支拡張があって、喀痰培養ではいつもブドウ球菌(MSSA)が検出される。MRSAのこともあった。青木先生はすべてのMRSA肺炎は誤診であるというが、この方はどうだろうか。気管支拡張症にブドウ球菌が常に定着していて、増殖すると肺炎として発症するという経過を繰り返している。MRSAが検出されるときはMSSAも同時に検出されるので、ごく一部にMRSAが混じっているだけのようだ。息子さんが自宅にある吸引器で痰を吸引していると、案外肺炎にならない。むしろ施設にショートステイ入所した時のほうが、うまく痰を吸引できないために肺炎になる確率が高い。今回も施設にショートステイ入所中だったそうだ。入所期間が数日ではないのでロングのショートステイというそうだ。

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岡田正人先生のアレルギー疾患大原則

2013年05月03日 | Weblog

 今日はケアネットDVDの「Dr.岡田のアレルギー疾患大原則」を見ていた。その中にvocal cord dysfunctionの症例が出てきた。それでピンときた。1週間前に受診した発作性呼吸困難の40歳台女性は、この疾患だ。いかにも心因性の疾患を起こしそうな患者さんで、発作の時間は10分くらい。喘息発作にしては変だと思ったが、これだったのか。

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脳梗塞入院

2013年05月02日 | Weblog

 78歳女性が今朝から右不全片麻痺で昼に受診した。救急車ではなく、家族が連れてきた。すぐにストレッチャーに乗せられた。意識はあり、会話もできるが、構語障害があるようだ。3年前にラクナ梗塞の既往があり、昨年夏には急性冠症候群でPCIを受けて、ステントが入っていた。

 頭部CTで脳幹部にLDAが疑われたが、頭部MRIではそこには梗塞はなかった。左MCA領域の真ん中に帯状に梗塞巣があった。MRAで左MCAは閉塞していた。しかし、今回こそこが詰まれば、意識消失して完全麻痺になると考えられた。神経内科医に画像を診てもらって相談したが、おそらくMCA領域にコラテラルから血流が来ていて、一番コラテラルから遠い部位に梗塞が起きたと判断された。当院にひとりしかいない神経内科医は母親の体調不良で早退する予定だったので、治療計画を立ててもらって内科で入院とした。

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急遽退院希望

2013年05月01日 | Weblog

 78歳女性が急性腎盂腎炎と食欲不振で入院していた。抗菌薬投与で感染症は軽快したが、食欲不振が続いた。ふだんはダミ声で悪口雑言の人だが、うつの傾向がある。抗うつ剤投与でしだいに食欲が出てきた。処方を調整して紹介先の内科クリニックに戻す予定だった。元気になったら入院がイヤになって急に昨日から帰ると言い出した。家族はもう少し良くなったからと希望したが、本人はまったく夫のいうことなど聞かない。急遽明日退院になった。

 81歳男性の肺癌緩和ケアの患者さんは、食欲不振で入院していた。肺癌は放射線療法のみ受けていて、右肺はがんそのもの+癌性胸膜炎でつぶれていた。ステロイド投与で思いがけず、食欲が出て、外出を希望するようになった。そうやら自宅に戻ってタバコを吸いたいらしい。通常ならば禁煙だが、余命が限られているので教科書通りには禁止しにくい。病院のトイレでか隠れて吸っていることも判明した(病院敷地内全面禁煙)。それらの事情もあり、急遽明日いったん退院となった。2週間後に外来としたが、できれば1か月もってほしい。

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