なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

CMLの81歳男性

2013年05月22日 | Weblog

 昨日、3年前からがんセンターの血液内科に慢性骨髄性白血病(CML)で通院している81歳男性が、内科医院から肺炎疑いで紹介された。4日前から腰痛がひどく体動困難となり、前日から発熱もあった。内科医院から救急車で搬入されたが、話を聞くときちんと答えてくれて、認知症はなく、全身状態がそれほどは悪くないと思われた。

 10年前に当院外科で胃癌の手術(全摘)を受けていた。貧血があり、MCVが100ちょっとで、明らかな大球性ではない。血清鉄はいちじるしく低値だが、血清フェリチンは正常域だった(二次性?)。血清ビタミンB12も提出したが、外注なので結果はすぐに出ない。

 胸部X線・CTで両側に軽度に胸水貯留があり、やはり軽度だが心嚢液貯留もあった。腰から足まで浮腫があり、上腕にも軽度に浮腫がある。循環器科の心エコーで心機能は悪くないので、貧血と低蛋白血症の影響が大きいという判断だった。肺野に浸潤影としてもよい陰影があった。尿路感染症や胆道感染症は否定的だった。炎症反応の上昇があり、発熱もあり、まずは肺炎の疑いとした。利尿剤と抗菌薬投与で経過をみることにした。腰椎は変形性の変化が目立つが、化膿性は否定的だった。左腸骨動脈に動脈瘤があるが、その部位の症状はなかった。

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