文科系の本と違って、理科系の本は古くなれば価値がなくなる。医学書も10年たてば役に立たないので、価値はない。でも、最近年をとったせいか、研修医のころに読んだ医学書が懐かしく思い出される。アマゾンで検索すると個人書店(あるいは個人)が売りに出していた。
1984年に第2版が出た阿部正和先生(慈恵会医科大学)と平田幸正先生(東京女子医大)による糖尿病の対話本を購入した。紙は変色している。当時のインスリンはレギュラー、NPHインスリン、さらにラピタードだった。ただただ懐かしい。出版されてすぐに購入したが、いつの間にはかなくしてしまった本だ。
ついでに消化管用薬の本とウイルス性肝炎の本も購入することにした。もちろん内容は古く、診療の役には立たない。あと定年まで10年を切ったしまった今だからこそほしくなる。年齢の割には、研修医向けの本や多方面の臨床の本をよく買っているほうだと思うが、臨床医として先が短くなって、これまでのことを振り返る時期なのだろう。