なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心筋梗塞と急性冠症候群

2014年09月21日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ていた。さっそく前胸部痛の70歳代男性が救急搬入された。心電図でⅡ・Ⅲ・aVFでST上昇があり、急性心筋梗塞(下壁)とすぐに診断された。ちょうど循環器科医が心房細動・心不全で早朝に入院した患者さんを診に来ていた。胸腹部CTを追加すると腹部大動脈瘤もあった。心臓センターのある専門病院に連絡すると、ドクターカーで迎えに来てくれた。

 その後も消化器科で診ている肝細胞癌末期の患者さんが食欲不振で受診して入院とした。21歳男性が中等度以上の喘息発作で受診した。小児喘息がいったん治まってまた再燃していた。治療は受けていないが、週に2-3回は症状があるという。酸素飽和度は90~92%(室内気)。酸素吸入を開始して、酸飽和度94~95%にしてデカドロン8mgを点滴してから、ネブライザー吸入を行った。症状は軽減したが、続いていた。明日仕事があるので入院はできないという。古典的なネオフィリン250mgも点滴静注も追加したがもうひとつだった。ソルメドロールも追加して喘鳴はほぼ消失した。ステロイドの使い過ぎと言われそうだが、喘息発作が起こったということは治療の失敗なので(この方は無治療だが)、発作時には思い切った治療する方針にしている。発作が治まってから、漸減すればいい。仕事で受診できるのは3-4日後というので、プレドニン30mg/日内服を3日分処方して、シムビコート吸入(2吸入を2回)とテオドール400mg/日とシングレア10mg/日も出した。もちろん今晩悪化すればすぐに再受診してもらう。

 日直も終わろうかという時に、64歳男性が急な心窩部痛(正確には胸部と腹部の間)と嘔気で受診した。圧痛はなかった。心電図ではもともとQRSがワイドで心室内伝導異常があった。ST-T変化が読みにくい。前回の心電図を比較すると、V1-3で波形が変化していた。1時間前からの症状で受診したが、検査しているうちに症状は軽減してほとんど消失した。この患者さんは内科の若い先生が診ているが、糖尿病でなんとインスリン強化療法で計200単位以上使用していた。それでもHbA1cが10%台で経過していた。高血圧症・高脂血症・高尿酸血漿もあった。過去に医大病院で僧帽弁と大動脈弁の置換術を受けていた。

 朝に診てもらった循環器科医が夕方からまた病院に来ていたので相談した。やはり心電図は読みにくいという。血清クレアチニンが1.8と上昇していた。単純胸腹部CTで見ると、冠動脈3枝が石灰化して、特に前下行枝がLMTからガッチリと石灰化していた。内腔は分からないが、狭窄していると推定される。急性冠症候群として緊急に心カテのできる病院で経過を見るのが好ましいと判断された。患者さんと奥さんは迷っていたが、結局承諾して緊急搬送することになった。休日の受け入れは難しいと思われた医大病院に連絡すると、意外にあっさり受け入れてくれた。

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