なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

多発性肝転移・骨転移・縦隔リンパ節転移

2019年07月19日 | Weblog

 水曜日、胃癌(手術不可)で入院していた98歳男性は数日前から下顎呼吸になっていた。夕方には朝よりも呼吸が弱くなって、家族には今晩でしょうとお話した。家族1人が付き添っていたが、その日3人で付いていると言っていた。

 当直医にお願いするようになるので、深夜だと申し訳ないと思った。当直は日曜日に大腸癌・多発肝転移で入院した50歳代半ばの男性を担当した外科医で、その日の午後に大腸癌の切除術を行っていた。術後にそのまま当直に入るというハードスケジュールだった。

 午前0時過ぎから受診が途切れて、午前5時に救急搬入があった。その後、午前7時前に胃癌の男性が亡くなり、死亡確認をしてもらった。搬入された50歳代後半の男性は思いがけない病状だったので、外来で診療していて病棟に呼ばれたようだ。

 

 その50歳代後半の男性は、腰痛で救急搬入されていた。圧迫骨折という年齢でもないので、急性腰痛症(ぎっくり腰)か腰椎ヘルニア・腰椎脊柱管狭窄症あたりと思って受けたはずだ。

 実際は骨転移による腰痛だった。右肺に空洞形成をもつ陰影があり、肝臓に多発性腫瘤があった。縦隔リンパ節転移もある。腫瘍マーカーはCEAとCA19-9が著明に増加していた。空洞形成が少し気になるが、一元的に説明すると右肺癌・多発性肝転移・多発性骨転移・従なくリンパ節転移になる。

 当院で診れる病状ではないので、肺癌治療を行っている専門医のいる病院に紹介するしかない。内科当番だった先生に相談されて、さっそく他院と交渉していた。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 脳幹(橋)梗塞 | トップ | 大球性貧血 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事