なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

熱中症

2024年07月30日 | 水電解質・輸液

 7月26日(金)の当直は午後5時の搬入要請から始まった。一人暮らしをしている93歳女性が自宅で倒れて動けなくなっているという。

 隣の家に弟夫婦が住んでいる。2日前の水曜日にはデイサービスもあり、弟の妻(義妹)が訪問していて、特に変わりはなかったそうだ。

 前日は誰も訪問していない。搬入されたその日は、別の弟が訪問して姉が倒れているのを発見したという経緯だった。

 その日も暑かったが、救急隊の話では、エアコンはついていなくて室内は暑かったという。肩甲骨部・仙骨部・膝関節部・足関節部に発赤(とびらん)があり、褥瘡が始まっていた。少なくとも1日は同じ姿勢でいたのだろう。

 搬入時、開眼していて会話はできる。エアコンのことを訊くと、最近新しいエアコンに代わったが、使い方がわからないので使用していなかったそうだ。

 頭部CTは脳委縮のみで、脳血管障害はなさそうだった。胸腹部CTで胆道系の拡張があるが、2年前からある所見だった。本人は食道癌術後といっていたが、開腹だけの手術痕なので胃癌食道浸潤かもしれない。

 バイタルは血圧が250と著しい高血圧症だった。当院の腎臓内科外来に通院していて、複数の降圧薬を処方されているが、それでも血圧が150~160から180くらいにもなっていたそうだ。

 降圧薬は2日分内服していなかった。点滴と降圧薬のニカルジピン注を行った。家族が処方薬をそっくり持ってきたので、再開した。

 土日は少なめの点滴を入れていたが、入院後から食事摂取は良好で、週明けの月曜日の日中の分で中止した。経過はいいが、一人暮らしなのでこれまでのように歩行できないと退院にはできない。降圧薬の追加も必要だ。

 後はエアコンの使い方をしっかり教えてもらう必要があるが、毎日誰かが行って調整しないと難しいかもしれない。

 

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