4月7日(月)は当直が整形外科医で、当方が内科当番だった。特に連絡はなかったが、8日病院に来て、時間外の救急外来受診者を確認していた。
8日の朝方に70歳代後半の男性が発熱・血圧低下で救急搬入されて入院していた。血液透析を受けている患者さんなので、腎臓内科医の担当になっていた。電子カルテでこれまでの経緯を確認すると、意外な経過だった。
この患者さんが血液透析に至ったのは、通常の糖尿病性腎症・腎硬化症(高血圧症)・慢性腎炎ではなかった。
一昨年に血尿が続き、市内の内科クリニックから当院の泌尿器科外来(非常勤)を紹介された。画像検査で右腎盂に腫瘍を認めて、がんセンターに紹介となった。
がんセンターで右腎盂癌と診断された。術前化学療法(GEM+CDDP)が行われて、その後に手術の予定だった。ところが、抗癌剤(CDDP)による急性腎障害(AKI)が生じてしまった。BUN 119mg/dL・血清クレアチニン9.9mg/dLで透析が必要になった。
地域の基幹病院に転院して緊急透析が行われた。その後に腎盂癌の手術が行われたが、血液透析は継続となった。昨年の春から当院で血液透析を受けていた。(基幹病院は維持透析はしていない)
その後、腎盂癌の治療に免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブが使用された。ニボルマブによる免疫関連有害事象(immune-related adverse event:irAE)で下垂体機能低下症となり、ステロイド補充(コートリル)が開始となっていた。
当方は癌治療をまったくしていないので、「話には聞いたことがあるが、・・・」という事柄になる。カルテのサマリーに「irAEによる下垂体機能低下症」とあったが、irAEが何の略だがピンとこなかった。
患者さんはステロイド補充を休んでしまうことがあり、これまでも注意されていた。今回も数日休薬していて、それに感染症が被って悪化したということらしい。抗菌薬、ステロイド補充、補液が開始されていた。
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