なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

熱中症の季節

2022年06月20日 | Weblog

 梅雨に入ったはずだが、気温が急に上がって、週末はかなり暑かった。

 57歳男性は、土曜日に暑い中で作業をしていて、午後から頻回の嘔吐と下痢があった。知人から熱中症ではないかと言われて、病院を受診した。下肢が「つる」感じがあった。

 日直は内科の若い先生だった。腹部は平坦・軟で全体に軽度の圧痛があった。血液検査では、血清クレアチニンが3.03mg/dlと腎機能障害を認めた。電解質は正常域で、CKも正常域だった。

 この患者さんは、居住地はちょっと遠方だが、当院で毎年職場健診を受けていた。アルコール性脂肪肝と思われる肝機能障害は以前からあった。血清クレアチニンは2019年から、1.19→1.27→1.37mg/dlと上昇してきている。HbA1cが6.0→7.0→6.3%と変化していた。

 腹部CT(単純)で腸管内の消化液が少し目立つ。上行結腸に憩室の散在を認めたが、憩室炎の所見はなかった。熱中症もあるかもしれないが、腸炎なのかもしれない。

 点滴を開始していて、入院を勧めたが、患者さんは自分で水分をとるからと、入院を断った。週明けの月曜に受診することにして、点滴1本で帰宅となった。

 帰宅時間は遅くなるが、外来でもう2本くらい入れてから帰すのもあったかもしれない。日曜日に点滴と血液検査を入れておくのもあったが、日曜日の日当直医は非常勤医なので頼みにくかったか。

 患者さんは律儀に月曜に再受診した。症状はすっかり良くなっていた。血液検査で血清クレアチニンが2.10mg/dlに改善していたが、もともとの値まではまだ戻っていない。さらに経口で水分を多くとるように指示された。

 血液検査での異常があり、内科通院を勧めていた。患者さんは、当院に通院することになると車で1時間弱かかるので、近医を受診するといって診療情報提供書も断った。数年来、健診の時に受診勧告があったはずだが、受診していないところをみると、受診はちょっとあやしいか。

 

 48歳女性は、日曜日にビニールハウス内で作業をしていて(気温40℃以上)、めまい・ふらつきを自覚した。ビニールハウスから出て休んでいたが、過呼吸になって救急要請した。

 日直は非常勤の先生だった。搬入時には症状は軽快していて、外来で点滴を1本して帰宅となった。

 

 この先生は市内のクリニックの2代目にあたる。父親のクリニックは古くなってので、近くに新規にクリニックを建てた。(父親は土曜日に診療をして、息子を週休2日にしているらしい)

 開業のあいさつに当院を訪れて、当時の院長と話をして際に、「地域医療のお役に立ちたい」と言ったそうだ。(クリニックでの診療を頑張る、という意味だろう)その時に院長が、(ダメもとで)よかったら当院の当直を手伝ってもらえないか、とお願いした。

 そこから月1回日曜日の日当直をお願いできることになった。当初は新しいクリニックが建設中で、父親のクリニックを手伝うくらいだったので、余裕があるのだろうと思っていた。

 ところが、新しいクリニックが完成して相当忙しいはずなのに、当院での診療は続けてくれている。いつまでお願いできるかわからないが、対応も適切で助かっている。

 月曜日の朝に車で病院に来ると、病院から出てくるこの先生の白いベンツとすれ違う。

 

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