水曜日に救急を診ていた先生(バイトの大学病院外科医)から連絡がきた。肝硬変・肝性脳症で診ている66歳女性が救急搬入されていた。
ちょうど1年前の昨年6月に、地域の基幹病院救急科から連絡がきた。当院に糖尿病・高血圧症で通院しているその女性が、前夜からの意識障害で搬入されたという。
血清アンモニアが高値で肝性脳症と診断された。肝硬変と推定されるということだった。ウイルス性肝炎は陰性で、原因は不明とされた。(他の慢性肝疾患も確定できない。肝臓専門医と相談したようだ)。
対症的は治療で経過をみるしかないこと、予後不良であることを家族に伝えたので、後は当院で診てほしいという依頼だった(外来扱いからの紹介なので「転院」ではない?)。
当院でアミノレバン(のジェネリック)を点滴静注して、その後はリーバクト・ラグノスNF経口ゼリー内服で治療して落ち着いた。
今回は微熱だが発熱があった。閉眼していたが、呼びかけると開眼して20秒は保てる。簡単な会話は可能だった。血圧は130/70台で保っている。
白血球16400・CRP16.7と炎症反応の上昇を認めた。血清アンモニアは233と高値だったが、普段も150~200くらいだった。BUN84.6・血清クレアチニン2.70と腎障害を認める。脱水症による腎前性のようだが、消化管出血も疑われる比率だった。
尿は尿混濁というより、ほとんど膿そのものだった。両側腎臓が腫脹してる。水腎症になっていて、尿管も拡張している。膀胱壁はかなり肥厚していた。尿閉を呈している可能性があり、尿カテーテル留置とした。
肺炎や他の感染症も否定的で、尿路感染症(急性腎盂腎炎~膿瘍?)と判断された。尿培養と血液培養2セットを提出して、点滴と抗菌薬投与を開始した。
翌日の細菌検査担当の検査技師さんから、尿から嫌気性菌が出ているといわれた。腸内細菌は見当たらないともいう。院内では嫌気性菌としか同定できないので、外注検査に提出します、ということだった。