なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

濃厚接触者の発熱

2022年06月23日 | Weblog

 昨日、感染管理ナースから連絡がきた。COVID-19のクラスターが発生している施設(知的障害者施設)に入所している75歳男性のことだった。

 施設入所者50名のうち、感染していないのは3名だけで、この患者さんはそのうちの一人だった。(感染者は職員を含めて50名以上)

 尿閉で尿カテーテルが留置されている。前夜から高熱があり、一度嘔吐した時に黒色の胃液が出た。ふだん診ている内科医院を受診していた。

 コロナの抗原定性検査は陰性で、内科医院から地域の基幹病院に紹介された。コロナの検査は陰性だったが、濃厚接触者になる。尿路感染症に対する抗菌薬(レボフロキサシン)とPPI(ランソプラゾール)が5日分処方されて、帰された。

 

 内科医院では、さらに午後から当院に紹介してきた。病院管理者をされている先生が診て、尿路感染症として入院の手配をしようとした。

 すると、一般病棟では入院はちょっとということで、地域包括ケア病棟に入院依頼がいった。そこの看護師長さんは、病棟として損なことでも引き受けれくれる方だった。

 しかし濃厚接触者で大丈夫でしょうか、と感染管理ナースに相談したのだった。抗原定性だけだったので、院内でできる迅速PCR検査を追加することにした(保健所のPCR検査より感度は落ちる)。

 結果は陰性だった。患者さんを診ると、困った様子はなかった。その日は嘔吐していない。水分もとれる。

 COVID-19に罹患していなければ、濃厚接触者でも感染病棟には入れられない(陰圧の部署の個室管理でも、感染していない患者を感染病棟に一緒にしたと非難される)。一般病棟で注意して診ればいいだけだが、可能ならば外来で治療したい。

 患者さん本人も入院はしたくない様子で、付いてきた職員もぜひ入院ということでもなかった。外来でというと、帰れるよ、よかったね~と言っていた。同じ施設からCOVID-19に罹患した入所者が先々週から数人入院しているが、病院の環境に慣れないで不穏になったりしている。

 その日は外来治療として、翌日の病状を診て決めることにした。処方された薬は1日分内服していたが、外来でセフトリアキソン1gの点滴静注と500mlの点滴をした。

 今朝施設から連絡がきて、解熱して食事もとれるという話だった。そのまま基幹病院の処方を継続してもらって、5日分では足りないので、週明けに追加処方を取りに来てもらうことにした。

 

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