なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

声がかすれるかぜ

2022年06月27日 | Weblog

 今年度も感染管理の院内勉強会を2回開催しなければならない。昨年度は、経費節約のため外部講師を呼ばずに、当方が簡単な講演をした。今年も自前で行うことになる。

 昨年は1回目が細菌学と抗菌薬のごく基本的な話、2回目が新型コロナウイルス感染症のこれまでの整理と最近の話だった。

 コロナの話は忽那先生のYahoo newsをまとめただけだが、スライドに忽那先生の顔写真を入れたら、かなりウケていた(ゆるキャラ?)。

第22回 新型コロナ感染症~臨床の最前線 | Humony International

 本来は講演に呼びたい先生の著書などををわかりやすく説明する、というこの方式だと、ネタに困らない。細菌学の話では、「感じる細菌学×抗菌薬」染方史郎著(じほう)を使用した。

 今年の1回目は、「かぜの診かた、発熱の診かた」として、岸田直樹先生の本と山本舜悟先生の本を参考にして話をすることにした。(おふたりの顔写真もスライドに入れたが、たぶん忽那先生のような爆笑にはならないと思う)

 

 両方の本に詳しく記載されていないかぜがある。急性喉頭炎つまり「声がかすれるかぜ」だ。先週も「声がかすれるかぜ」にかかった患者さんがきた。

 61歳女性で、高血圧症・気管支喘息で通院している。当方が診る前から安定剤と睡眠薬を継続している方で、いわゆる心気症に相当する。

 もう症状は軽快消失していて、こんなことがあったいう話をしていった。いつも気になる症状を2つ3つ話して帰る。

 2週間くらい前に咳が続いて、声がかすれて、ひどい時は声が出ないくらいだった。発熱はなかったそうだが、胸が詰まる感じ(chest tightness)もしたという。持病の喘息も影響を受けたのかもしれない。

 耳鼻咽喉科クリニックを受診して喉頭鏡の検査を受けていた。説明内容は正確に覚えていないようで、症状が続いたら喘息で通院している内科で相談して、と言われたそうだ。1週間ちょっとの経過で症状は軽快していた。

 

 当方も最近はないが、この「声がかすれるかぜ」に年に1回かかることがあった。ひどいと本当に声が出なくなる。しゃべらないのが一番いいが、そうもいかない。消化器科医も以前このタイプのかぜにかかって、筆談で外来をしていた(休めないのです)。

 発熱も伴った時に、呼吸が苦しいわけではないが、killer sore throatも気になって赤十字病院の耳鼻咽喉科を受診したことがある。喉頭鏡で診てもらって、声帯が白っぽくなっているといわれた。抗菌薬と抗炎症薬が処方されたが、たぶんウイルス感染で、細菌感染ではない。

 急性喉頭炎は内科より耳鼻咽喉科の範疇になるのだろう。通常のかぜよりも症状は長い傾向があり、1週間以上続くようだ。耳鼻咽喉科クリニックのホームページにわかりやすく記載しているところがある(喉頭鏡の所見がある)。

 

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