なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

抗体製剤

2022年02月20日 | Weblog

 金曜日に、地域の基幹病院循環器内科から78歳女性がリハビリ目的で転院してきた。

 2月初めに転院依頼は来ていたが、虚血性腸炎を発症して延期になっていた。心不全で処方された薬の影響で、脱水症(血液検査で血液濃縮)になったのが影響した、と判断されていた。

 ダイアート(60mg/日)・エンレスト・セララをいったん休止して、転院直前にダイアート(30mg/日)のみを再開したと記載されている。今度はうっ血性心不全の増悪が危惧される?。

 もともとはステロイド依存気管支喘息で同院呼吸器内科に通院していた。現在プレドニゾロン15mg/日だが、20mg/日の時もあったらしい。転院時も安静時に喘鳴が聴取された。

 ICS/LABAはフルティフォームエアゾールをスペーサーで吸入していた。さらに喘息の抗体製剤のデュピクセント皮下注(抗IL-4/13受容体抗体)が使用されていて、次週が注射予定日だった。当院にはないので、臨時薬として取り寄せになる。値段が高く、入院費3日分に相当する。

 ステロイドの影響と廃用で、両下肢の筋力はかなり低下していた。もともと入院前もシルバーカーを押して、夫が後ろから支えてやっと歩いていたそうだ。約1か月リハビリはするが、介助で車いす移乗で終わるかもしれないと夫(内縁らしい)に伝えた。

 

 当院の呼吸器外来に通院している49歳女性は咳喘息で通院していた。外来は大学病院から来ている先生(呼吸器専門医・感染症専門医)が診ている。

 症状がひどくなって、3回入院した時に当方が担当した。咳が続いて呼吸困難になるが、喘鳴は聴取されない。気管支喘息発作に準じてステロイドで治療した。症状は軽快するが、断続的に咳はある。

 その後、外来の先生が抗体製剤ヌーカラ(抗IL-5抗体メポリズマブ)を使用して、症状は落ち着いていた。しばらく入院していない。こちらも高額な薬だが、本人の負担が少なくなるよう手続きをしてくれていた。

 

 どちらも専門医が使用する薬で、自分が直接処方することはないが、とくかく値段が高い。

 

コメント (3)
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