なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

進行していた肺病変

2022年02月09日 | Weblog

 日曜日の当直は神経内科医だった。2年半前に当院外科で直腸癌の手術をした患者さんが、意識障害を呈していると救急要請が来た。

 直腸癌の手術は直腸切除と人工肛門造設で、その1年後に肝転移に対する肝部分切除が行われていた。その後は1回以上、抗癌剤治療で短期間の入院をしていた。

 搬入後の検査で低酸素血症(酸素分圧48.1)とアシドーシス(pH7.240、呼吸性+代謝性)を認めた。胸部X線では左肺が真っ白で、胸部CTで見ると、左肺に胸水貯留と無気肺を認めた。

 

 手術からずっと担当している外科医(当院最後の常勤外科医)に連絡すると、すぐに行って診ますという返事だった。神経内科医としてはほっとしたことだろう。(その日の内科当番は当方だったが、連絡を受ければ高次医療機関に搬送して下さいというしかない)

 外科医は胸腔ドレーン挿入を行って、入院後にNPPVを装着した。(自分だったら、この画像でドレーンを入れる自信はない)入院後は病状は安定していた。

 月曜日に、外科医からちょっと画像を見てくれと言われた。癌性胸膜炎の可能性も考えていたようだが、胸水は血性ではなく、少なくともひどい混濁(膿性)ではなかったそうだ。(胸水は細胞診だけ提出していた)

 1月半ばに外科外来を受診した時には、軽度の左胸水を認めていた。血液検査では昨年12月の受診時から炎症反応(CRP)の軽度上昇があった。

 少なくとも1月からは発症していたのかもしれない。培養検査は喀痰しか出ていないので、起炎菌はつかまらないか。抗菌薬はセフトリアキソンを入れていたので、ゾシン(PIPC/TAZ)の方がいいかもしれませんと伝えた。

 火曜日に胸部CTを再検していた。左肺は胸水が引けて、背側の浸潤影?も軽度だった。むしろ右肺の胸水と部分的無気肺が目立つ。貧血(Hb7g/dl台)と低蛋白血症(血清アルブミン2.4g/dl)の影響もあるのだろう。(もともとCKDもある)

 

 

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