なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

意外な結果

2022年02月07日 | Weblog

 金曜日に内科クリニックから当院消化器科に82歳男性が紹介されてきた。呼吸苦を訴えて先月末にクリニックを受診していた。

 右胸水貯留を認めて、クリニックから地域の基幹病院呼吸器内科に紹介となった。結果は穿刺するほどの胸水はなく、また一昨年に同院消化器内科を受診した時に、胆嚢癌疑いとなっていたという指摘もされた。結果的には、そのまま帰された。

 

 一昨年に腹痛で当院内科を受診して、当時いた内科の若い先生が診察した。胆嚢結石があり、胆嚢襞が不整に肥厚していた。胆嚢癌疑いとして地域の基幹病院消化器内科の外来に紹介していた。

 受診した結果、「胆嚢癌が疑われるが、患者さんの病状(脳梗塞後遺症、認知症)を考慮して、そのまま経過観察」となった。当院に返事を持ってきた時に、経過をみて病状が悪化した際は入院にしましょう、と家族に伝えていた。

 

 今回は、胆嚢癌が進行して胸水貯留・腹水貯留をきたしたかと思われたが、結果は違った。

 胸腹部CTで両側肺の肺炎像と胸水貯留(胸膜炎か)があり、右気胸もあった。そして胆嚢は、胆嚢結石はあるが壁肥厚はなくなっていた。結果的に胆嚢癌はなく、以前の所見は炎症像だったのだろう。

 呼吸器内科に紹介された時は肺炎・胸膜炎の初期だったか。当院時受診時は、わかりやすく肺の炎症が進行していたことになる。気胸も後で発症したのだろう。初期像から症状があったとすると、肺腫瘍の可能性があるのかもしれない。

 消化器科医は基幹病院の呼吸器内科にそのまま搬送していた。

 

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