なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腎梗塞・脾梗塞

2020年01月24日 | Weblog

 水曜日に地域の基幹病院脳神経内科から転院してきた75歳男性は、転院日の午後から高熱・悪寒があった。

 血液培養2セットと尿培養を提出したが、翌日のは血液培養からグラム陽性球菌が検出された(菌名確定はまだ)。高熱も続いている。尿路感染症・肺炎は否定的で、カテーテル感染が疑われたので、夕方にCVカテーテルを抜去した。抜去後には解熱していた。後はエンピリック投与の抗菌薬を確定後に変更することになる。

 できれば末梢の点滴で経過をみて、内視鏡的胃瘻造設にする方がいいが、なにしろ105kg(入院前は120Kg)の方なので、胃瘻キットで間に合わない可能性がある。先方で撮影した胸腹部CTがあるので、確認してみた。造影CTが撮られていて、右腎臓に複数個所と脾臓に造影不良域がある。

 診療情報提供書には心房細動による脳血栓塞栓症(出血性脳梗塞)で寝たきり状態にあり、経口摂取は不可能なこと、薄めの高カロリー輸液にしているが、見込みがないので末梢用の輸液への変更でいいこと、のみが記載されていた。

 検査所見もなかったので、経過がわかりにくいが、当院での検査では凝固異常(Dダイマー高値)・肝機能障害・腎機能障害があった。

 推定すると、昨年末に脳血栓塞栓症が発症して、胸腹部CTは年明けに検査している。入院時にはなかったが、その間に血液検査での異常などがあって検査しているはずだ(全失語で自覚症状の表現はできない)。

 体格が良すぎて末梢血管からの点滴が困難かと思ったが、1~2週間くらいは十分いけそうだ。感染症の治療を進めて、可能ならば内視鏡的胃瘻造設術にもっていきたいが、CTで見ると胃の前(腹側に)に横行結腸がどんとあり、これではできない。部位を変更して、CVカテーテルを再挿入しかないかもしれない。 

 腎梗塞も脾梗塞の症例は以前にあったが、両者同時にというのは初めて見る。

 

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