なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳血栓塞栓症(出血性脳梗塞)

2020年01月22日 | Weblog

 地域の基幹病院脳神経内科から、脳血栓塞栓症の75歳男性が転院してきた。

 当院の脳神経内科外来に高血圧症・糖尿病・心房細動で通院していた。高血圧は降圧薬3剤、糖尿病はボグリボース0.6mg/日でHbA1c6.1%程度、心房細動はエリキュース5mg錠2錠朝夕内服で治療していた。

 当院の看護助手さんの父親で、脳血栓塞栓症で入院したと報告を受けた神経内科医は、外来治療がうまくいっていただけにがっかりしたようだ。午後から内科病棟に患者さんを見に来ていた(リハビリ適応がない転院は内科扱い)。

 失語症で発語はできず、嚥下障害で経口摂取はできない。治療は内頸静脈から挿入したCVカテーテルからの、量とカロリー少なめの高カロリー輸液、経鼻胃管からの降圧薬の注入だった。出血性梗塞なので抗凝固薬は中止している。

 抗凝固薬をこのまま中止でいくか、再開するか訊いてみたが、まあそのまま中止かなということだった。ということは、脳血栓塞栓症を始め、血栓塞栓が起きてもしょうがないということになる。

 診療情報提供書には、もう経鼻胃管からの注入も中止の方向で、高カロリー輸液も末梢用の輸液でいい、となっていた。そうもいかないので、高カロリー輸液は継続して、降圧薬は貼付剤に変更できるか調整することにした。

 安定した状態が続けば、療養型病床を目指すことになるが、午後から39℃の高熱があり、さっそく血液培養2セットと尿培養の提出、抗菌薬投与となった。

  

 心房細動で出血性脳梗塞の既往がある場合、抗凝固薬はどうしたらいいのだろうか。

 

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