なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳症?

2020年01月20日 | Weblog

 先週の金曜日に88歳男性が高熱で救急搬入された。日曜日から高熱があり、月曜日(祝日)に当番医を受診して、インフルエンザ迅速試験でA型陽性と診断されて、タミフルを処方された。

 その後も高熱が続き、かかりつけのクリニックで漢方薬が処方された。発熱が続いて奇異なことを言うようになり、さらに地域の基幹病院を受診した(夜間救急)。漢方薬がよくないと言われて、通常の解熱薬(アセトアミノフェン)が処方された。

 それでもも症状が続いて、食事摂取も低下して動けなくなって救急要請していた。救急当番の外科医に呼ばれて、診にいった。簡単な会話はできるが、かなりだるそうだった。白血球数は正常域で血小板数8万と低下していた。CRP0.6で軽度の肝機能障害と軽度のCK上昇があった。

 胸部X線で両側肺門部に結節様の陰影があり、肺門リンパ節が石灰化していた。陳旧性肺結核のようだが、胸膜肥厚ではなく腫瘤様なのが気になった。その周囲に少し淡い浸潤影があるように見える。咳・痰はなかった。

 すでに発症6日目で、もう通常は肺炎併発がなければ治るころになる。点滴と抗菌薬投与で経過をみることにした。数日で軽快するかと思ったが、土日も高熱が続いた。今日検査したが、白血球数は同程度で、CRP0.7と細菌感染併発に合わない。血小板数は11万と改善してきていた。

 ウイルス感染が遷延しているような経過だが、よくわからない。脳症疑いで頭部MRIを撮影しようとしたが、ちょうど発熱が始まるころで、動いてしまい今日のところは断念した。

 アセトアミノフェンを500mg点滴静注すると37℃以下まで解熱して、会話もできる状態になる。明日MRI再検として、検査前にアセトアミノフェンを入れてから撮影することにした。

 家族はタミフルの副作用ではという(当院搬入時は内服終了していた)。尿培養は陰性で血液培養2セットの結果はまだ出ないが、菌血症ではないだろう。やはり脳症疑いでMRIが見たい。

 

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