日曜日の日直の時に消化器科医が診た、77歳男性脳幹梗塞の症例。
金曜日の午後7時ごろに右半身の違和感を感じたそうだ。翌日の土曜日になって、喋りにくさ(構語障害)と右半身の軽度脱力(上肢<下肢)を自覚するようになった。
日曜日には歩行時にふらつくようになって、家族の車で当番医の内科クリニックを受診した。正確にいうと、受診しようとした。
受診者が多かったためか、明らかに脳血管障害と判断される症状だったためか、受付で話をしたところ、患者さんに救急要請するようにと言われた。救急隊がクリニックに向かって、当院に搬入した。(救急隊の出動先は、住所の記載とともに○○クリニックとあった)
患者さんが救急要請した形になるので、診療情報提供書はない。そのクリニックの受診費用がかからない点では患者にやさしい医療?。
頭部MRIの拡散強調画像で脳幹部(左橋部)に新規梗塞像を認めた。時間が経っていたので、T1でもT2でも病変は描出されていた。
脳幹梗塞ということで、専門医へ紹介と判断された(その日の当院内科当番は内科専攻医の若い先生)。地域の基幹病院に連絡すると日直はちょうど脳神経内科医で、受け入れてもらえた。次の日からベット満床で、連休明けになっても受け入れができなかったので、その点でもラッキーだった。
クリニックの駐車場からの救急搬入という話。