なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

リンパ脈管筋腫症の気胸

2020年01月15日 | Weblog

 日曜日は消化器科医が日直で、34歳女性が左気胸で受診していた。連休明けに、入院になった受診者の画像を確認していたが、両側肺に嚢胞があるのが奇異な印象を受けた。

 2年前には右気胸で受診して、外科に入院していた(当院は気胸は外科扱い)。胸部胸腔ドレナージでエアリークが続き、手術のため大学病院に紹介になった。当院での胸部CTで両側肺に肺嚢胞が散在していることから、放射線科の読影レポートでリンパ脈管筋腫症疑いとなっていた。

 大学病院で胸腔鏡手術を受けて、その後はリンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis:LAM)として外来フォローになっていた。また気胸になった時は大学病院に連絡とされていた。

 消化器科医が大学病院に問い合わせると、まずそちらで治療して下さいということだった。胸腔ドレナージをして外科に入院した。

 大学病院呼吸器内科からの報告書によると、6年前に2回右気胸になり、その時のVATSでLAMと診断されたとある。3年前に右気胸が再発してドレナージで治癒している。2年間前に当院に右気胸で入院して、胸腔ドレナージでエアリークが続いて、大学病院で手術(全胸膜カバーリング術)を受けていた。

 全胸膜カバーリング術Total Pleural Covering(TPC)は、胸腔鏡下に肺の表面(臓側胸膜)全体を吸収性メッシュで覆い、肺胸膜を補強する。この方法では胸壁と肺は癒着しないので、将来の肺移植に支障にならないそうだ。

 入院後に肺は広がっているが、エアリークありとなっている。ドレナージだけで完治しない時は、大学病院と相談になる。

 確か前にも1例LAMの患者さんが受診していたような気がする。その方もどこか専門施設のフォローとなっていたと思う。

 

 

 

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