なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

インフルエンザ+肺炎が3名入院

2020年01月04日 | Weblog

 昨日の3日の日直の時に、内科に3名が入院した。いずれもインフルエンザ(A型)+肺炎だった。

 まず朝病院に来ると、昨夜の当直だった外科医から、早朝に救急搬入された90歳男性を相談された。12月27日に発熱で住んでいる町の病院を受診した。インフルエンザ迅速試験陰性と診断されて、鎮咳剤と去痰剤を処方されていた。

 数日食事摂取できなくなっていて、呼吸困難で救急要請していた。その日息子さんに「インフルエンザで肺炎を併発している」という話をすると、「もっと早く再受診させていれば」と言っていた。

 

 2人目は63歳男性で、当院の事務職を定年退職した方だった。奥さんはまだ当院の病棟看護師をしている。12月31日に高熱が出たが、翌日には解熱傾向となり様子をみていた。ところが昨日の3日目からまた高熱になって、咳・痰(黄色)が出始めた。歩くとふらふらするという。

 インフルエンザ迅速試験をすると、A型陽性と出た。抗インフルエンザ薬を出して終わりかとも思ったが、短期間ながらちょっと軽快して悪化した経過が気になったのと、黄色痰が気になった。

 胸部X線で右中葉に浸潤影が疑われた。点滴と血液検査をすると、白血球増加・CRPがあり、細菌感染を示唆している。胸部CTで確認すると、右中葉には確かに浸潤影があるが、その他にも右下葉と左下葉に淡い陰影が散在していた。

 入院治療として、奥さんの勤務する婦人科・外科系・内科なども混合病棟に入院とした。どうも奥さんも感冒症状が出始めているらしい。

 

 夕方になって、当番医だったクリニック(市医師会長)から3人目の88歳男性が紹介されてきた。自宅んの車で行かせる、という電話での話だったが、持ってきた診療情報提供書には酸素飽和度60%台とあった。

 他のクリニックだと、低酸素の時など病状が悪いと、救急搬送してくる。こちらの先生は以前から自宅の車で直接向かわせていた気がする。救急外来の看護師長が「よく自宅に車で」と驚いていた。(豪快な素敵な先生です)

 酸素5L/分を開始したが、酸素飽和度は88%~90%にしかならない。血液ガスではPaO2 52・PaCO2 29・pH 7.420だった。それでも楽になりましたと言っていたので、ふだんも低酸素状態なのだろう。これまでも動くと息切れはしていた。リザーバー付きにマスクにして酸素飽和度が94~96%になった。難聴はあるが、会話はしっかりしている。

 20年前に喫煙をやめた(それにしても68歳)そうだが、胸部X線・CTでは明らかな肺気腫像を認めた。

 12月30日から体調不良となって(高熱はない)、呼吸困難で今日受診していた(ふだんもそこがかかりつけ医)。インフルエンザ迅速試験A型陽性で、右下肺野に浸潤影を認めた。

 呼吸器内科のある病院への搬送も考えたが、インフルエンザだと個室管理になるので、ベット確保が大変そうだ。高炭酸ガス血症がなく、酸素飽和度が確保できているので、当院で治療することにした。家族(長女)には、厳しいかもしれないと伝えたが、高齢なのでできる範囲で治療してもらえばいいということだった。

 

 治療は3例ともラピアクタ注とセフトリアキソンでまったく同じ。

 

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