なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脂肪肝

2019年10月28日 | Weblog

 整形外科外来から肝機能障害の41歳女性が紹介されてきた。膝関節前十字靭帯損傷で12月半ばに手術を予定してたが、肝機能障害が目立った。手術の可否について訊きたいという内容だった。

 術前検査のHBs抗原・HCV抗体は陰性だった。年齢的に自己免疫性肝炎も考えられるが、おそらく脂肪肝と予想していた。今日診察室に入ってきたのは、体格のいい女性で、一見して(心の中で)脂肪肝と確診した。

 身長163cm・体重88Kg(BMI33)で、4年前に消化器科を受診した時は80kgで、そこから8Kg増加している。その時も脂肪肝(AST 45・ALT 81・LDH 279)があった。

 今回は、AST 98・ALT 222・LDH 305・γ-GTP 93と悪化していた。腹部エコーはまさに脂肪肝で、それ以外は異常なかった。ここまで高いと単純性脂肪肝と言い切れず、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)も危惧される値ではある。

 年齢的には自己免疫性肝炎の可能性があるので、念のため抗核抗体・抗ミトコンドリア抗体を提出した(原発性胆汁性胆管炎もセットで検査するのが定番だが、ムダな検査ではある)。

 自分でも体重増加の影響と思ったそうで、食事を替え始めていた。今時の炭水化物を減らすのはいいが、野菜だけ食べたりしているというので、蛋白質はしっかりとるように勧めた。

 整形外科外来が11月末にあり、その時肝機能検査も入っていた。3kgくらい減量して、AST・ALTが100未満になれば(80未満が好ましいが)、手術に支障なしという返事にした。

 

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