なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ワーファリンの効き過ぎ

2019年10月23日 | Weblog

 月曜日早朝に呼吸苦(呼吸困難)ということで、84歳男性が救急搬入された。まだ時間外で日曜日の日直宿直だった先生(外部の医師)が診察した。

 心房細動で他院に通院しているが、心不全の悪化や肺炎はなかった。右下腿から大腿にかけての腫脹と疼痛があり、血腫だった。Hb5.1g/dlの正球性貧血を認めた。その後、常勤の外科医が引き継いだ。

 ワーファリン3.5mg/日を内服が処方されていて、追加した凝固検査では、PTは測定不可なくらい低下していた。APTTも173.8秒と延長していた。ワーファリンの効き過ぎによる出血症状だった。幸いにというか、頭部や胸腹部には出血はなかった。下肢に出血したのは外傷が加わったのかもしれない。

 心房細動・心不全の患者さんのワーファリン過量による出血ということで、入院は循環器科の扱いとなった。ビタミンKの点滴静注と輸血が行われて、2日後の今日はHb7.7g/dl・PT21%・PT-INR3.09まで回復していた。

 血腫が吸収されたら、抗凝固薬はどうするのだろうか。ワーファリンを慎重に再開よりは減量したDOACか。

 

 

 

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