なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

熱中症と思ったら

2019年10月02日 | Weblog

 昨日は暑かった。94男性がひとりで畑仕事をしていて、倒れているところを発見された。救急搬入された時には、救急隊も含めて、熱中症と判断していた。

 意識はぼんやりしているというだけで、他に症状はなかった。救急当番は循環器科医だった。点滴をして救急搬入患者さんとして検査を進めていた。

 心電図も一般的な検査として行われたが、Ⅱ・Ⅲ・aVFでST上昇があった。異常Q波もある。(Ⅰ)・aVLで鏡面像のST低下を認めた。右冠動脈閉塞による下壁の急性心筋梗塞だった。

 高齢ではあるが、緊急でPCIが行われて、右冠動脈(#2)の100%狭窄があった。(当院の循環器科は平日時間内のみ対応可)

 畑で倒れたのは急性心筋梗塞が発症したからではなく、熱中症そのものだった可能性がある。倒れて結果的にはよかったということなのかもしれない。

 

 救急搬入された患者さんには100%心電図検査が行われるが、熱中症疑いとして家族の車で連れてこられた場合は、血液検査と点滴だけの指示になるかもしれない。

 急性冠症候群の講演会で、循環器科の先生が、外来診察の時は必ず心電図をとると言っていた。たとえ訴えが嘔気でもなんでも、心筋梗塞を見逃すと恥ずかしいので、心電図をとるそうだ。

 侵襲がない検査なので、心電図をとりまくってもいいのかもしれない。

 

コメント
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