なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

頚椎偽痛風~化膿性脊椎炎?

2019年10月15日 | Weblog

 木曜日に80歳男性が後頚部痛で整形外科外来を受診した。頚部CTで第2頸椎(軸椎)歯突起周囲に淡く石灰化を認めて、頚椎偽痛風(Crowned dens syndrome)と診断された。

 外来治療となったが、処方されたのはアセトアミノフェンだった。内科医院に高血圧症・慢性腎臓病(CKD)で通院していて、血清クレアチニン1.28mg/dl(eGFR 42)と気にしたのだろう。でもアセトアミノフェンでは効かない。

 金曜日に390℃の高熱と後頚部痛で、その内科医院から当院外科に紹介された。意識は清明で、とにかく首を動かすと痛い。外科医は内科医院の院長先生の弟さんで、この兄から弟への紹介はよくあるパターンだった。

 血液培養を提出して、頚椎MRIを追加していた。脂肪抑制画像で、上下の頚椎C6/7に脂肪T2高信号を認めて、周囲の組織に高信号を認めた。診断は化膿性脊椎炎疑い(傍脊椎の炎症を伴う)だった。これは意外だった。

 NSAID(セレコックス)と抗菌薬点滴静注が開始されて、解熱軽快している。炎症反応も改善している。今のところ、血液培養では特に最近は認めない。(どっちが効いているのか)

 当方は、膝関節内にも石灰化を認めることもあり、最初電子カルテ上で見た時には、てっきりこれは頸椎偽痛風(Crowned dens syndrome)と判断していた。これは化膿性脊椎炎なのか(頸椎は部位としては少数派になるが)。

 (後日記)

 血液培養は陰性で、発熱・炎症反応上昇はすみやかに軽快していた。結論としては頸椎偽痛風でMRIで見られた炎症像も、偽痛風によるものでよかったようだ。セレコックスであっさり治ったのだった。

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