読書日和

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Quatuor D’hommes 1st Recital

2021-12-05 08:31:33 | コンサート、演奏会


(サクソフォン四重奏団の左から廣瀬奏一朗さん(ソプラノ)、村上怜さん(アルト)、田中啓悟さん(バリトン)、服部哲司さん(テナー))

11月23日、広島県広島市の広島流川協会にQuatuor D’hommes(フランス語で男性の四重奏団という意味)のサクソフォンリサイタルを聴きに行きました。
4人とも大学生で、廣瀬奏一朗さんと田中啓悟さんがエリザベト音楽大学の4年生、村上怜さんと服部哲司さんは広島文化学園大学のそれぞれ4年生と3年生です。
誰かの「ちょっと合わせてみようや」の一言で大学の違う4人が集結して演奏し、リサイタル開催に進んで行ったとのことです。
サクソフォン四重奏はこれまでなかなか聴く機会がなく、興味を持ち聴いてみようと思いました




教会らしく静謐な雰囲気の場所です。
2019年2月に「コール・ビビッド 6th Concert」を聴いた場所でもあります。

1. ホルベアの時代より 作品40/E.グリーグ

明るい始まりで、その明るさにフワフワとした雰囲気もあって良いなと思いました。
ずっと明るくて曲のテンポも良く、1曲目向きだと思いました。
サクソフォンの並びは向かって左からソプラノ、アルト、バリトン、テナーとなっていて、常にその並びで演奏していました。



2. イタリア協奏曲 BWV971/J.S.バッハ

一楽章
明るく始まり、とてもリズミカルな音色でした。
ソプラノサクソフォンの後に他のサクソフォンがポロロローと続く掛け合いの演奏が良かったです。

二楽章
しっとりと始まり、ゆっくりとした演奏で少し悲しそうでした。
ソプラノサクソフォンの演奏を他の3人で支えたり、テナーサクソフォンの演奏を他の3人で支える場面があり、ずっとしっとりとした雰囲気でした。

三楽章
一気に明るく華やかになりました
音が喜んでいるかのように聴こえました。
バリトンサクソフォンの低音が目立ち、タタタタターというリズムを何度も演奏していた時の雰囲気が良かったです。




演奏後の廣瀬奏一朗さんのトークでバッハのイタリア協奏曲は、リサイタルの舞台の広島流川協会という素敵な協会で何を演奏するかとなった時に、この曲が合うと思ったとのことです。
サクソフォン四重奏団のリーダーでもあり、リサイタルの司会進行役も担っていました。



3曲目について服部哲司さんのトークもあり、緊張しているとのことでやはりたくさんの人を前にしてのコンサートはプレッシャーを感じるのだと思います。



3. サクソフォン四重奏曲/F.et.M.ジャンジャン

一楽章 陽気な村人
明るい音色で、ソプラノサクソフォンが目立っていてとても楽しそうでした。

二楽章 懐かしい風景
ゆったりと伸びる、安らぐ音色で始まりました。
同じ音色をソプラノサクソフォンからアルト、テナー、バリトンと交代で演奏する場面があり、ゆったりとして少しもの悲しげでもあり雰囲気が良かったです。

三楽章 蝶々
速い始まりで迫力がありました。
そこからゆったりした時の雰囲気が良くて、ソプラノサクソフォンを他の3人で支えていて、音がワルツを踊っているように聴こえました。
終わり方が印象的で、迫力のあるままスパッと終わりました。

四楽章 広場の音楽会
速い始まりで、バリトンサクソフォンを他の3人で支えた時が良かったです。
重厚さと疾走感が合わさったような独特な音色になっていました。





(4曲目に向けて村上怜さんトーク中)



4. 無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番 BMV1006/J.S.バッハ



短い時間で7つの音色が演奏されて行きました。

1.プレリュード
華やかで優雅な音色でした。
ソプラノサクソフォンが短い音をずっと演奏して目立ち、他の3人が支えていました。
終始とても明るかったです。

2.ルール
とてもゆったりと始まり、安らぐ音色でした。
終始ゆったりとしていました。

3.ガヴォットとロンドー
これもゆったりとしていました。
「タッタータータタ タ、タ、ター」という、多くの人が一度は聴いたことのありそうな有名メロディになりました。
4人全員での演奏でとても心地良い音色の優しい雰囲気になり、良いと思いました。

4.メヌエットⅠ、5.メヌエットⅡ
こちらもゆったりとしていて、とても心地良い音色でした。

6.ブーレー
速い始まりで迫力もあり、そして明るかったです。
ソプラノサクソフォンが一瞬ソロ演奏になり、いきなり空気が変わって面白かったです。

7.ジーグ
こちらも明るく、低音によってコミカルな雰囲気も出ていて良かったです





(5曲目に向けて田中啓悟さんトーク中)



5. ギリシャ組曲/P.イトゥラルデ

一楽章 カラマティアノス
速い始まりで、タンタタンタンという演奏が何度も繰り返されるのがリズミカルで良かったです。

二楽章 ファンキー
ソプラノサクソフォンがかなり目立ち、他の3人で支えていました。
全体で「ジャズ」のような雰囲気になり、リズミカルな音色でした。

三楽章 ワルツ
こちらもジャズのような雰囲気で、激しさや情熱も感じたのが印象的でした。

四楽章 クレタ
タンタタタとテナーサクソフォン、バリトンサクソフォンがリズムを作る中、ソプラノサクソフォンとアルトサクソフォンが物凄い速さで演奏していました。
全体がミステリアスな雰囲気になり、迫力と疾走感も凄かったです





(5曲目終了後、トークをする廣瀬奏一朗さん。お取り置きして頂いたチケットの裏面には直筆で「本日はご来場頂きありがとうございます。実力はまだまだですが楽しんでお聴き下されば幸いです。」とメッセージが添えられていて好感を持ちました



6. 第1四重奏曲 作品53/J.B.サンジュレー



一楽章
4人でゆったりと始まりました。
どこか故郷に思いを馳せているような雰囲気がありました。
風が吹き抜けて行くような演奏になったのも印象的でした。
最後は優雅な雰囲気で終わりました。

二楽章
アルトサクソフォン中心にゆったりと始まりました。
しばらくゆったりな雰囲気が続いた後、ソプラノサクソフォンが演奏して他の3人が続く掛け合いの演奏になり、その雰囲気が良かったです。

三楽章
激しい始まりで、速さも迫力もありました。
音色が楽しそうで、ソプラノサクソフォン中心の演奏の後に他の3人が渦を巻くように演奏していた場面が良かったです。

四楽章
明るく速く始まりました。
凄く明るく軽やかになり、速さもあるので心地良い風が吹いているようでした。
ソプラノサクソフォンと他の3人による掛け合いもあり、それも速さと軽やかさがあって良かったです



アンコール:赤とんぼ

リサイタルが終わる名残惜しさをこの曲で表したとのことです。
「ゆーやーけ こやけーのー」の雰囲気がとても良かったです


サクソフォン四重奏団の音色、楽しませて頂きました。
新型コロナの脅威もあり学生によるコンサートを聴くのは久しぶりになりましたが、やはり良いものだなと思います。
若さ、勢いとともに、当然上手さもあります
風が吹き抜けて行くような演奏もあり、その爽やかさも良かったです。
今回が第1回リサイタルということで、次回が開催されればまた聴いてみたいと思います



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演奏者プロフィール

廣瀬奏一朗

広島市出身。
広島市文化交流会館”リバーズガーデンフレンドシップ”登録アーティスト。
2016、2017年に大植英次プロデュース”威風堂々クラシックin Hiroshima”オーケストラのソロサクソフォンを担当する。
2017年東京藝術大学早期教育プロジェクトにて、サクソフォン奏者の須川展也氏のマスタークラスを受講。
サクソフォンを平野公崇、山下雅也の各氏に師事。
現代音楽、奏法を大石将紀、室内楽を宗貞啓二、赤坂達三の各氏に師事。
現在エリザベト音楽大学4年次在学中。



村上怜

広島県広島市出身。
12歳よりサクソフォンを始め、2018年、広島文化学園大学 学芸学部 音楽学科に音楽特別奨学生として入学。
第22回大阪国際音楽コンクールAde-U木管管楽器部門にてエスポアール賞受賞。
サクソフォンを加藤和也、宮田麻美、上田啓二の各氏に、室内楽を上田啓二、多田愉可、山澤洋之の各氏に師事。



服部哲司

広島県広島市出身、11歳の時にアルトサックスを始める。
広島国際学院高等学校卒業後、2019年、広島文化学園大学 学芸学部 音楽学科に入学。
前田悠貴、宮田麻美各師に師事。
室内楽を上田啓二に師事。



田中啓悟

広島県呉市出身。
16歳の時に高校入学と同時にサクソフォンを始める。
サクソフォンを久保田麻里、平野公崇、大石将紀に師事。
室内楽を万代恵子、赤坂達三、宗貞啓二、大森義基、宮田麻美に師事。
現在、エリザベト音楽大学4年。
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-----廣瀬奏一朗さん、田中啓悟さん登場のコンサート、演奏会-----
エリザベト音楽大学 サクソフォンラージアンサンブル 第22回定期演奏会
エリザベト音楽大学 サクソフォンラージアンサンブル 第23回定期演奏会


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