読書日和

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参議院選挙結果を受けて 憲法九条改正の可能性

2016-07-12 21:34:33 | 政治
一昨日投開票が行われた参議院選挙。
憲法改正に積極的な政党、議論の余地のある政党が非改選の議席と合わせて史上初めて参議院全体の3分の2を超えるという結果になりました。
衆議院でも3分の2を超えていることからやはり史上初めて、憲法改正の発議に必要な「衆参両院で全体の3分の2以上の賛成があること」を満たせる可能性が出てきました。

私は今まで衆議院と参議院の両方で3分の2以上になるのはほぼ不可能だと思ってきたので、今回の結果は凄く嬉しいです。
国会で憲法改正の発議をし、憲法を改正するかどうか国民に意見を聞く「国民投票」を行える状態にあるのはありがたいことです。
奇跡のような今のこの時間を無駄にしてほしくはないです。

憲法改正、私が一番希望するのは「九条の改正」です。
しかしこれには問題があります。
テレビと新聞は自民党、公明党、大阪維新の会、日本の心を大切にする党を「改憲勢力」としていましたが、公明党は憲法改正には慎重な政党です。
現行憲法を良いものとした上で、環境権やプライバシー権など時代の変化によって足りなくなったものを付け加える「加憲(かけん)」を主張しています。
なので実際にはすぐに憲法改正の発議をするのは公明党が難色を示すのが確実であり無理です。
ただし反対しか言わず全く議論ができない民進党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちとは違い、議論ができる政党ではあります。

憲法九条の条文は次のようになっています。

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


このうち、特に問題となるのが2の方です。
「平和記念公園の折鶴から見る戦争と平和」などの記事で書いてきたように、憲法九条の平和の理想は世界中の全ての国が善良で他国の領土を侵略する国が一つもない場合にしか成り立たないです。
日本の場合は中国が現在進行形で日本固有の領土である尖閣諸島を侵略しようとしていて、明らかに中国によって日本の平和が脅かされています。
日本の平和を脅かす国が一つもないことを前提として書かれている現行の憲法九条では現実の危機に対応できないことを受け止める必要があります。
この現状の憲法九条に対し、自民党が一つの案として提示している憲法九条の改正案は次のようになっています。

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2.前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。


1でも「永久に放棄」を「用いない」に改正していますが、注目は2の方です。
「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」は、中国のように武力で日本の領土を侵略しようとする国に対しては、国家国民を守るために自衛権を行使しますという意味です。
国家として当然のことであり、これを明言することで、中国は尖閣諸島侵略を進めずらくなります。
今までは「どうせ日本は何もできない」とタカをくくり尖閣諸島の領海侵犯を繰り返し侵略を進めていましたが、自衛権の行使を憲法で明言することで、領海や領空を侵犯する平和を乱す行為に対しては撃墜もあり得る(国際標準での対応です)というメッセージになり、抑止力を向上させることができます。
なので侵略を進めたい中国は、中国ではなく日本の憲法なのに改正に反対するという内政干渉をしてきます。

一番良いのはこの自民党案のように、憲法九条の条文自体を危機に対応できるものに変えることです。
そして自民党は憲法改正を目指して結成した党なのでこれを目指すはずです。
ただし公明党は現行憲法を良いものとした上で時代の変化によって足りなくなったものを付け加える「加憲」を主張しているので、現状では両者の主張に開きがあります。
しかし、「時代の変化によって足りなくなったものを付け加える加憲」は、憲法九条にも当てはまります。
時代が変化し、中国のように武力で日本の領土を侵略しようとする国が目の前に迫ってきているからです。
ここに公明党との議論の余地があります。

そこで憲法九条に対し、公明党が主張する加憲で対応した場合を考えてみます。
この場合、1と2はそのままにし、新たに3を加憲することになるはずです。
例として自民党の九条改正案の2をそのまま3として加憲した場合、憲法九条は次のようになります。

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
3.これら1.2の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。


この場合、「今の憲法九条の平和の理想は素晴らしいものだが、実際には中国のように領土を侵略してくる(戦争を仕掛けてくる)国があるため、その現実に対応しましょう」という論理構成になります。
公明党が主張する加憲という形を取りながら現行の憲法九条を今よりはまともにする「折衷案」となります。
ただしこれだと今の憲法解釈を条文として追加しただけのような印象があり、3の条文をどのくらい練り込めるかによって変わってきますが、抑止力の向上には疑問があります。
私としては自民党の九条改正案のように条文自体を危機に対応できるものに改正してほしいです。
しかし主張の違う政党との議論なのでそう簡単にはいかないと思います。
なので、自民党の九条改正案のように条文自体を危機に対応できるものに改正するのを第一希望、加憲の手法を用いて今よりはまともにすることを第二希望とします。
今後の自民党と公明党の議論次第ですが、ぜひ第一希望が叶うことを期待しています。
そして国会で憲法改正を発議し、国民に意見を聞く「国民投票」を実現させてほしいです。
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