東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古い松下製トランジスタラジオ AT-175 Junior の修理(2/4)

2019年09月29日 | 古ラジオ修理工房

 ケースから基板を取り出して、音が出ない原因を調べることにしました。私が一番最初に調査するのは、意外に多い接触不良です。電池BOXの接触不良、イヤホン端子の接触不良、電源スイッチの接触不良などです。イヤホン端子が壊れていたため、クリップでSPに常時つながるようにして調べました。イヤホン端子以外の接触不良はないようです。
 次に、電子的な不良の調査に入りました。まずは、自作のシグナルインジェクタ・シグナルトレーサーを使っておおよその故障個所を探しました。すると、いろいろと分かってきました。

    自作シグナルインジェクタと・シグナルトレーサーを使って調査中


 音が出ない原因で多いのが、低周波増幅1段目のコンデンサの容量低下です。そこで、シグナルインジェクタを使って低周波低周波増幅1段目に信号を入れてみました。すると、ちゃんと音が出ました。これは低周波増幅段は正常であることを示します。
 次に高周波増幅部の調査をしました。高周波段にシグナルインジェクタの信号を入れると、何故だか音が出ませんでした。これは、明らかに高周波段のどこかが故障していることを示します。

 ミキシング回路を調査     局部発信信号    シグナルオシレーターON
  

 次に、高周波増幅初段のアンテナコイル側回路を調べました。まずは、局部発信回路が正常に発信しているか調べました。この回路はオシロスコープを使って調べました。すると、200mV程度に局部発信しているため局部発信回路は正常です。次に、SGを使って変調された中間周波信号を中間周波回路周辺に注入してみましたが、これまた音が小さいのです。そこで、再びオシロスコープで信号を見ると、ちゃんと信号が増幅されているにも関わらず音として出ないのです。検波回路が怪しいことに気が付きました。そこで、検波ダイオードの前後を調べてみました。すると検波ダイオードにはちゃんと信号が来ています。ところが、検波ダイオード後は信号が出ていないのです。

  ダイオード前後の信号を調査      ダイオード検波前の信号は正常
 

コメント
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