湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

ガックリ腰

2013-10-15 16:00:43 | あんな話こんな話


自分の背丈よりも高いキャベツの箱の山があった。1ケースにみずみずしい緑の玉が8個入っている。以前にも書いたが、ここのところその“巻き”がよく、とても重くなっていて格闘し甲斐があるのだ(笑)。
すでに夜勤のバイトも6ヶ月目に入り、それなりに腕力もついてきたようで、こんな山を見ても怯むことはなくなった。

今日もまずはこいつから片付けてしまおうと、思いっきり背伸びをして頂上の箱に指先をかけ引っ張る。なんとか引き寄せ、落下させるように体で受け止めては台車に積む。これを繰り返し、頭の高さ位まで崩れれば後はなんてことない、いつものような単純な積み替え作業である。

僕が解体し始めたキャベツの山は75ケースあり、1店舗に向けて台車4台に積み込むことになる。個数にすると600個だ。今日の広告掲載商品とはいえ、そんなに売れるもんなのかと感心する。
そして、3台目の台車の半ばあたりに差し掛かったころだろうか。隣の山を崩していた同僚に声をかけられ、ケースを手に少し振り向きながら答えたその時だった。

下半身に違和感を覚える。

その時は痛かったわけではない。何がだかよくわからないのだが、腰から下がちょっと変だ。
一旦ケースを置いて足を動かしてみる。やっぱりなんだか変なのだ。下に置いたケースを再び持ち上げようとすると、その違和感は腰に集中し、一気に痛みに変わった。

やってしまった!

と思った時にはもう遅い。ここからは、以前にも数度やった“ジックリ腰”の痛みである。

完全に油断していた。気をつけていなかったわけではない。かつてやった経験があるだけに、いつだってまずは腰を落として体全体で持ち上げるイメージで作業していたのだ。が、しかし半年が過ぎ仕事にも慣れ「75ケースなんて朝飯前さ」とばかりに、いい気になってヒョイヒョイやっていたのは事実。完全なる油断であった。
このところ“巻き”がよくなり、同じケースでも重量が増していることは自分でも充分過ぎるほど認識していたのになぁ。

「少し休んだら?」
そう気遣ってもらったが、ここでやめるわけにはいかない。とりあえず75ケースだけはやっちまおう(笑)と、なるべく痛みを感じない体位(表現が不適切だったらスミマセン)を選択しながら何とかやり終える。
その後は、みんなには申し訳ないと思いつつ、なるべく軽いものを選びながら積み替えを行ったり、小分けの作業を率先して(笑)行った。
が、時間が経つに連れ痛みは増してくる。これも、これまでに経験した通りの症状である。
結局、いつもやっているさらに激しく短時間で体力を使う残業はパスさせてもらうことにして、事務所でタイムカードを押す。

「とりあえず明日、明後日はシフトから外しておきますから、まずは治してくださいね」
面目ない。ご迷惑をおかけします。
来週はまた頑張りますから。
「いや、2週間はかかるはずですよ」
そうか、デスクワークなら数日で復帰も、考えてみたらまた力仕事を再開するんだもんね。いや~、働けないとなるとピンチだよ。
気持ちよく仕事ができて、しかも健康的になってシアワセと先日記したばかりなのに、こんな展開になるとは! 社員ではなく時給のバイトだと、こんな時に困るなぁ。

そうはいっても、やってしまったことは仕方ない。一日でも早く治して現場復帰することが先決。職場のみなさんにもご迷惑をおかけします。
えっ? バイトならいくらでもいるって?
そうか、そういうことなんだねぇとまたしみじみ。

75ケース600個のキャベツが、家庭の食卓にのって笑顔や元気の元になるのが、せめてもですね(笑)。