『味奈登庵 横浜市役所店』の午後1時過ぎ。いつもお客は10人前後だろうか。でも、その少ないお客はもれなく窓際に着席している。
ビルの10階とはいえ、周囲のビルも同じような高さなのでそれほど眺めがいいとはいえない。ただ、節電で全体に暗い役所内にあって窓際はとても明るくて、食べ物もよりおいしそうに見えるというものだ。
そんな窓際でいつも狙っていた席が、今日はいいタイミングで空いた。
半世紀以上もそこにある市庁舎が丸見えの窓際である。関東だと有楽町そごうとか以前の歌舞伎座で有名な村野藤吾氏の設計。ただの格子状なんだけどキューブで構成されているような、ありそうでないデザインは独特で、子供の頃からのお気に入りだったのだ。
小雨がぱらつき色が鮮やかになっているそんな建物を眺めながら、いつものように「野菜つけ天そば」(400円)をズールズルいただいたのである。
白いビルの側面、縦にスリットが入ったところの最上階に、その特等席はある。といっても、普通の4人がけのテーブルだけど(笑)。