アラームがなる前に、自然に目が覚める。
窓際まで行きカーテンを開けると、街並みの向こうに山々が迫っていた。
日曜日の朝、甲府駅近くのビジネスホテルの最上階である。よく眠れたようで、とても気持ちがいい。それとも、やっぱり昨日のせいだろうか。
いや、これは初めての経験のせいなのである。
ホテルの部屋で一人きりで寝るって、気っ持ちいーーーーーい！
実は、この年になって一人でのホテル泊は初めてなのだ。もちろん仕事が遅くなって、つまり必要に迫られてはあるのだが、そんな時はただ寝るだけ。今回のように、遊びで積極的に泊まったのは初体験だったのだ。
当然、この本にも刺激されている（笑）。
で、やってみて何がよかったかといえば、やっぱり誰にも気兼ねがいらないところ。いったん部屋に入れば、真っ裸だろうが、ドアを開けっ放しで用を足そうが、誰にも文句を言われない。ついでに、どんだけイビキをかこうが、被害者が出ない（笑）。
つまり、もうやりたい放題なのだ。
あぁそれなのに、それなのに、着ていたものはキチンとハンガーに掛け、靴は揃え、洗濯物は畳んでしまうなど、ひたすら整理整頓につとめてしまうのである。なぜだか片付いていないと、自由を満喫している気がしてこないのだから悲しい。
ん～、でも何とか準備が整った。さあ、灯りを落として、予定通り枕元に置いた文庫本を読もう。この時間のために、今日は宿泊したといっても過言ではないのだ…。ふぁ～…
そこから先の記憶がない。数秒で眠りに落ちてしまったようだ（笑）。
でも、とびきり気持ちのいい朝はやってきた。本を読めなかったのは心残りだが、クセになりそうなホテル泊だったことは確か。
ネットで予約したら、Ｗベッドのシングル（禁煙）が5400円だった。これで、こんなに楽しい一夜が過ごせるなんて、最高のぜいたくですね。
ちなみに、あっという間に寝てしまったので、お楽しみの２チャンネルも見ず仕舞い。でも、チェックアウトの時、フロントが若いお姉ちゃんだったので、恥ずかしい思いをせずに済んだのは幸いだった（笑）。