朝の普通電車のロングシートに腰掛け、うとうとしていた。
「ビリビリビリビリ～…ゴ～～」
「ビリビリビリビリ～…ゴ～～」
おかしな音で起こされた。
何かと思ったら、隣の隣に座っている体格のいいおじさんのイビキだった。窓ガラスを震わせるような激しさだ。
激しいけれど、まあイビキだとわかったわけだし、規則正しいので、またうとうと。
「…ンゴッ！………ンゴッンゴッ！」
突然、奇妙な音が車内に響き渡る。詰まっていた何かがはずれて通るかと思ったら、また詰まって。おぉ、やっとはずれそう…と思ったら、またまた詰まったよ～といったカンジ。
やっぱりさっきのおじさんのイビキの違うバージョンだったけど、今度のはかなり気になるなぁ。
気になるというのは、自分にも思い当たるフシがあるので。
睡眠時無呼吸症候群（ＳＡＳ）である。
同じ「ンゴッ！」でもこのおじさんの「ンゴッ！」は、間隔が短い「ンゴッ！」なのだが、僕の「ンゴッ！」は、最初の「ンゴッ！」から次の「ンゴッ！」まで、30秒から長い時には１分以上もあくらしいのだ。もちろんその間、息をしていないという。
「この人、このまま死んじゃうんじゃないかと恐くて眠れなかった」と、妻が新婚当時を振り返る。
ただこれ、よわったことに、ほぼ自覚がない（寝ているのだから当然）。
たまに、ホントにたま～になんだけど、自分の「ンゴッ！」で、なんだなんだ？何が起きたんだ？と目が覚めてしまうことがある（笑）。
そのたびに、あぁひょっとしたら今のがあの「ンゴッ！」なのかと自分でも可笑しくなるのだ。
今朝はおじさんの「ンゴッ！」に驚いたが、もしかしたら自分も電車の中で「ンゴッ！」をやっていたらどうしよう。目が覚めて顔を上げると、みんなこっちを見ていることあるもんな。書いていて恥ずかしくなってきた。
ンゴッ！気をつけます。
写真は、藤沢駅北口の旧特飲街に近い現役の旅館。特有のタイル張りが見える。こんな旅館で「ンゴッ！」をやったら、他の部屋の人に迷惑だろうなぁ。