今朝も大磯方面からやってきた電車に乗り込み、ロングシートの空いている所に腰をおろすことができた。ホームで並ぶ列の後方になると座れないことがあるから、毎朝早めに家を出ているのだ。
動き出した車内で、いつものように本を開く。次の駅だったろうか、ふと気づくと前に杖を手にしたお婆さんが立っていた。
通勤ラッシュの時間帯だというのに、一体どうしちゃったんだろう。さすがに無視する、あるいは寝たふりをするわけにもいかず、席を譲った。というより譲るしか選択肢はないもんねぇ。ちなみに僕の左隣は男子高校生、右隣は30代女性だったんだけど、どっちみち彼らに先に立たれても今度は僕の立つ瀬がないから仕方ないといえば仕方がないのだ。
こういうことがあるから、普通電車は困るんだよね。全員着席のライナーなら、あり得ないのに。やっぱりもっと早起きしてライナーにすべきなのか。
お婆さんからは丁寧にお礼の言葉をいただいたが、この先を思うと正直ちょっとツラい（笑）。でもまあいい、こんな日もあるさ。今朝は睡眠は諦めて東京駅までたっぷり読書していこう！うん、それもいいじゃん。
ところがだ、次の次の駅で男子高校生が下車するために立ち上がると、お婆さんはすかさず高校生の座っていた場所にお尻を横滑りさせた。そして僕を、ここへお座んなさいと手招きするのだ。
いいお婆さんだ～。
お言葉に甘えます。元気そうに見えるかもしれないけど、オレけっこう体がボロボロなんですよ。若そうに見えるかもしれないけど、実は一昔前なら席を譲られるくらいの年なんですぜ。今度はこっちがお礼をいうことになった（笑）。この光景、事情を知らない人の目にはどう映ったのかは心配だが、なんだかちょっと嬉しかったな。
そのお婆さんは横浜駅で席を立ったが、お互いに「ありがとうございました」と頭を下げ合う。これも、事情を知らない人には不思議な光景に見えたに違いない。でも、ちょっと楽しかった。
時には、普通電車は面白かったりするのだ。
今日の写真は、地下鉄半蔵門線を走行中の東武鉄道の車内。東武野田「線」！橙の右から二人目が石原選手。